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退屈は僕を殺したい  作者: おどろん
第五章 組織襲撃 編

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単独潜入 ー接触ー

お疲れ様です。

先週は週末からしばらくお休みいただきました。

子供の幼稚園の入園式。

その準備に終われて、ほとんど手付かずでございました!

今は投稿ペースを上げられているので、駆け足でもどんどんアップしていけたらと思います!

Xのほうはホントにほとんど手付かずだけど…


『相変わらずボロいわね…。まぁ()()よりはマシだけど。』


ユキは1人でトリニティのアジトへと侵入していた。

前回は場所すらも分かっていなかったため、やむを得ずメグを囮のように使う羽目になり、彼女を無事に撤退させるためにも調査は中途半端になってしまった。


メグの時間稼ぎが不十分だった…

というわけではない。


調べたいことが多すぎたのだ。

とりあえず前回の潜入時に、明らかに異質な様子の扉を見つけている。

まぁ、他のところはほんど放置と言って良いレベルであるから特に目立っただけかもしれないが…

人の手が加えられていたのは見てハッキリと分かった。


『組織にとって重要な人物の部屋…あるいは重要な資料なんかが見つかるかもしれないわ。まずはそこから行きましょう。』


行動目標を明確に。


好奇心が強いと自覚しているユキが自分によく言い聞かせる言葉だ。

つい興味があることにフラフラと立ち寄ってしまい、寄り道のようになることが多いユキは、1人の時は特にこの言葉を強く意識するようにしている。


…その寄り道でユウトと会えたのだから悪いことばかりではないけれどね。


廃墟となってからほとんど手がつけられていないと思われる廊下を進んでいく。

その途中にはメグも入った例の儀式の部屋もあった。

開かれたままのドアから見える部屋の中は他のガラスや小道具が散乱した部屋と違い、ある程度清掃して整えられているのが分かる。


『それにしても誰もいないのかしら?ここまで誰も見ていないけれど…、まぁ好都合か。』


どういう者達が組織に属しているのかも確認しておきたかったが、今のところいるのは蜘蛛や小さい虫くらいで足音や話し声なども一切聞こえてこない。


1つ上の階に行き、代わり映えしない荒れた部屋を横目に進み、やがて例の部屋の扉の前に降り立つ。


『やっぱりここだけ明らかに変ね。他のところより扉も綺麗だし、何か神通力のような物を感じる。普通の施錠なんか鬼憑きや狩人には意味もないし、おそらくは結界…あるいは封印系かしら?私には何の意味もないけどね。』


そう考え、いつものようにドアなど無いかのようにただ真っ直ぐ前に進もうとする。



一瞬だけ、何かの違和感を感じた。



振り返る、しかし何もない。

気のせいか…と再び前に向き直り進もうとする。



「なんか変だなー。」



突如として背後から聞こえた間の抜けた声に心臓が止まりそうになる。

声をあげなかった自分を褒めたいくらいだ。

まぁ()()で声をあげたところで誰にも聞かれることはないのだが。


再度、ゆっくり振り返ると女がいた。

手の辺りから白い毛を生やし、髪も白く、そして立派な獣の耳がピクピクと動いていた。


『…彼女がクロ、かしら?』


ユウトから聞いていた特徴とは完全に一致している。

ユウトのように向けられた殺意や感情が分かる…なんてことはないが、ユキも周囲の神通力を感じ取るくらいのことはできる。

先程の一瞬の違和感がそれだったのだろう。

しかし、速すぎた。


感知できたとしても、とても対応できる速さではない。

元々()()から出るつもりは毛頭ないが、念のため息を潜めてやり過ごす。


「う~ん…この変な感じは一体?ここら辺なんだけどなぁ~?」


すぐ目の前でウロウロし始める、獣耳の女。

耳を動かしたり、嗅覚も使っているのかクンクンと鼻を使っている様子も見てとれる。

しかしどれだけ耳が良かろうと、鼻が利こうとも。

ユキの存在は五感で把握できるものではない。

何を感じてこの場所が怪しいと判断できたのかは皆目検討もつかないが、たとえ居場所を掴まれたとしてもユキに攻撃が届くことは決してない。


「…勘違いかぁ?」


ほんの目の前だ。

腕を前に出せば抱き締められるほどの距離。

その後ろ姿が嫌でも目に入り、心臓が鼓動を速める。


『大丈夫よ。バレない。バレても問題ない。』


その後ろ姿から感じる濃密な神通力。

それはユウトでなくても伝わるほどの殺意から漏れでた波動となってユキの体に叩きつけられている。


しかし、この感じ…。

なにか、懐かしいような…?


「まっ、気のせいか。」


フッ、と濃密な神通力が突如として消え去り、辺りの空気は一変する。


『全く…あの翼の女もだけど、ユウトの言う通りこの獣耳もとてつもなく危険…。ユウトはよく見逃してもらえたわね。』


ユキもようやく重圧から解放され、ホッと胸を撫で下ろす。



「ここかぁあああ!!!!!」



突如として獣耳が振り返り、ユキの頭の位置に正確に拳を撃ち込んできた。

そのあまりの衝撃に周囲の部屋のガラスが割れ、散乱したゴミや資機材が吹き飛ぶ。


『あ、あわわ…』


その拳はユキの顔面を正確に捉え、顔を貫通していた。

とはいえ、それは見た目の話だけである。

ユキの体はそこにあって、しかし存在していないため攻撃を受け付けることはない。

生きているという安堵より、選択によっては死んでいたという恐怖が勝ち、その場にヘナヘナと崩れ落ちる。


「あ、あれ?ホントに勘違いか…?」


本人はユキの気も知らず、拳が空振ったことに違和感を覚えていた。


『…少しだけ漏らしちゃったじゃない…。いずれ必ずこの報いを受けさせてやるわ…!』


敵だとしても協力するとしても、この件に関しては必ず復讐してやると固く決意したところでもう一つ、知った声が聞こえてくる。


「何をしているの、クロ?たださえボロい建物なんだから余計に壊すのはやめなさい。」


鳥女だ。

やはりいつ近寄ってきたか分からなかった。

この二体の鬼憑きのフィジカルは本当に怪物だ。

狩人では龍堂茜以外に対処が可能と思えない。

そして、鳥女の発言からやはりこの獣耳はクロと呼ばれる存在だと確信する。


「シロか。いや、ただの勘違いだ。」

「…勘違いでも手違いでも、これ以上この建物にダメージを与えないでと言っているのよ。ストレス発散なら外でしてきなさい。」


呆れた様子の鳥女。

彼女はクロから『シロ』と呼ばれていた。

ユウトの軽口通りであることが面白く、若干気を持ち直す。


「いや、なんか近くにいる気がしたんだが…こんなことは初めてだったんだ。」

「また言い訳………いえ、いるわね。確かに。」


持ち直したばかりの気力をすぐさま奪われる。

もう鳥女(シロ)はユキの存在を確信してしまっている。


『…出直すべきかしら?』


先ほどは驚きすぎて少し粗相をしてしまったものの、やはり向こうの攻撃はユキ自身に当てることは不可能。

であれば、無理矢理にでも調査を続行するべき…?

判断に迷っていると、再び鳥女(シロ)から声をかけられる。

その顔はまっすぐユキの顔へと向けられている。


「ねぇアナタ。多分この子が驚かせてしまったと思うけれど、私たちはアナタに危害を加えるつもりはないわ。この子には絶対に手を出させない。出てきてお話しない?」

「シロ?何言ってるんだ?」

「いいから大人しくしてなさい。絶対に危害を加えてはダメよ。今アナタが感じてるこの気配が、この前言った協力者になり得る存在よ。」

「マジ…?ごめん!え~っと、名前も分かんないのか。とにかくごめん!」


シロに言われ、


『演技には、見えないけれど…』


向こうからの歩みよりは正直言ってありがたい。

だが、それが信用できるかどうかは別問題だ。

ワザワザ身を晒して捕まりでもすれば目も当てられない。

とは言え、明らかなチャンスを無視して棒に振るのも違う…となれば。


だから、()()()()()()を使うことにした。


『私はユキ。私も、私たちもアナタたちと話がしたいと思っていたわ。』


急に、

一方的に、

堂々と。


余裕を持っているように見せかけるのだ。

手を組んでもらうのではなく、組んでほしいと言わせるために。


ユウトのハッタリを見習い、ユキの綱渡りの交渉が始まった。


ポケモンチャンピオンズも興味あるけどできてません!

新作でるまでそもそも手を出すつもりもなかったのですが、面白そうで結構気になっております…


そもそも時間が足りないんだけどね。

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