そろそろ準備開始かな
「そろそろ諏訪で使う家具とか買った方が良いかもだね〜。
あっちに行く日を決めて、直接届けて貰えば良いよね?」
ふと雑誌の広告を見て、そろそろ第二拠点の準備を始めなきゃと気付いて碧に声をかける。
「あ〜そうだね。
服とかは一部こっちから持っていくにしても食器とかはあっちで適当に買えば良いから、ベッドとソファとテーブルを買えば良いかな?」
碧が頷きながらタブレットに手を伸ばした。
「考えてみたんだけどさ、冬は東京、夏は諏訪をメインな感じにしない?
源之助を連れていくならどっちで働いても良いんだし。
諏訪の冬って遊びに行く分には良くても、日常生活としては私にはちょっと厳しいかもって気がするんだよね」
以前クリスマスぐらいに行った時も寒かったし、車の運転も完全に碧に任せていた。
街中なら多少は大丈夫かもだが、車を運転できないとやっぱあそこは不便だろう。
「諏訪でも、夏は炎華にも来てもらわないと温度調整が厳しいかもだよ?
しかも私と凛とで違う部屋にいるから凛はエアコン頼みになって、辛くない?」
碧が指摘した。
そう言えば!?
外を出歩く時に少しましでも家の中はそれなりに暑いだろうし、炎華が居ないと……地獄になりかねない?!
夜には気温が下がるとは言っても、2階じゃあ窓を開けて寝るのは危険だろう。
まあ、聖域が近いからあそこから雑草や木の枝を集めて認識阻害の結界を毎晩窓のところに設置するのもありかもだが。
「確かに一理あるかも。でも取り敢えず3月か4月にあっちへ通い始めて、夏になってきたらどっちが過ごしやすいかとか、仕事がどんな感じかなんかをみながら決めよう。
そう言えば、猫ベッドとか源之助のトイレとかを買っておかないとだね。
あとは……車を買うかどうかも決める?」
買うなら、だけど。
駐車場も諏訪にはあるけど、東京はどこかで借りないとだよね。
流石に駐車場で事故物件なんてないだろうから、車を買うならどこか適当な場所を近くで探して借りないといけない。
なんだったら、月のうち3週間ぐらいは車をほぼ使わないなら、その間はカーシェアに貸し出すのもありかも?
……いや、知らない人間の匂いとかがべったりついたら源之助が嫌がるか。
「最初の1年は買わずにレンタルでやってみて、どのくらい不便か様子を見てから決めない?
やっぱ車はそれなりに大きな買い物だし、出費が継続的にもでるから」
碧が言った。
「まあ、確かにねぇ。
駐車場だけでも毎月5万前後は掛かりそうだし、車検とか保険とか、色々あるよね。1年間諏訪と東京とで適当に通って、どの程度車両関連でお金が掛かったかを確認してから決めようか」
考えてみたら車内泊的な使い方をしないならミニバンみたいな車をリフォームっぽく改装しなくてもいいしね。まあ、ミニバンがあったら源之助を連れて交代で車内泊しつつ温泉宿まわりなんかも出来るかも?
「そうそう。
あっちとの毎月の行き来も面倒臭くなってやめるかもだしね。
もしくは夏は諏訪、冬は東京って感じで二拠点生活にして移動自体は回数を減らす可能性もあるし」
碧が頷く。
「そう言えば、向こうの方が寒いなら、炬燵は向こうに持っていく?
服とかも合わせたら、単身者用の引越し便もどきを使うのもありかも?」
炬燵は分解できるとは言え、車に乗せて持っていくのはちょっと大変だろう。
「いやいやいや。3月に引っ越し屋なんて使おうと思ったら大金を毟り取られるか、4月まで待てと言われるかでしょ。
私が大学に入学する時に、色々と親からお古っぽい家具を持って行けと言われたのよ〜。だから引越し業者を使おうと思って今ぐらいの時期に3月半ば程度の日程で申し込もうとしたら、引越しどころか見積もりすら予約をとるのに苦労したのよねぇ」
碧が笑いながら手を横に振った。
マジ?
私はベッドとクロゼットと机付きの寮に入っていたから、最初は家具なんてほぼ必要なかった。だからトランクに服を詰めて持って行って、後は百円ショップとかで随時必要に合わせて物を増やしていったんだよねぇ。
ここにルームシェアすることになって色々と買ったけど、それも部屋に直接配達して貰ったから、引越し業者とは縁がない生活をしてきた。なのでそんな事情なんか全然知らなかったわ〜。
まあ、引越しは3〜4月がピークだって言うのは雑知識的には知っていたけどさ。
「よし。
炬燵は必要だったらあっちで新たに買おう!」
電気毛布でも買えば、寒くても何とかなるよね。
そんな事を考えていたら、電話がなった。
おや?
退魔協会の着信音じゃないね。
誰だろ?




