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ミキタビ始めました!  作者: feel
3章 もう一つの小さな世界
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統括ロボットの魂 94


 時刻は少しさかのぼり、アムリテが葉人形を撃破して中庭から去った直後だ。


 リーナの回し蹴りによって植草へと飛ばされた統括ロボットは体勢を立て直し、衣服に着いた木々を払いのける。


 リーナは短剣を右手に構えて、統括ロボットの様子を伺う。しかし、統括ロボットがリーナを攻撃する様子はなく、リーナは自分から仕掛けることにした。


 統括ロボットに正面から接近して、その腹部へと短剣を走らせる。統括ロボットの衣服を切り裂くことはできたが、肌に刃が通ることはなかった。


 リーナはそれを予想しており、次に来るであろう統括ロボットの反撃に備えて視線を統括ロボットが持つ二本のナイフへと向ける。だが、リーナの視線に入った腕は動く様子がなく、足を使った攻撃だと思ったリーナは即座に体を後方へと引く。


 後方へ引いたリーナは打撃を受けなかったので完全によけきれたのかと思ったが、リーナは統括ロボットを見てその思いに気付いた。


「あなたはそれほどまでに人を傷つけたくないんですね…」


 見れば統括ロボットは両手に持っていたはずのナイフを落としており、震えながらも右腕を左腕で抑えていた。まるでそれはアイカの命令に自我で抗っているようだ。


 リーナは一刻も早く統括ロボットを止めるためにと、統括ロボットへ近づく。


 行動を抑制している統括ロボットは小刻みに震えながら、リーナを迎える。


 命令を受ける以前に伝えられた話では、統括ロボットの魂は胸の中にあると言っていた。


 リーナは鎖骨から腰へと視線を移動させると、胸の中心部に衣服とは違った光沢を放つボタンのような物を見つけた。


 リーナはそのボタンのような物へ手を伸ばし、人差し指で触れる。ボタンのような物は軽く沈むと、真っ黒な穴を衣服の上に晒した。穴の中には落ち葉人形の魂と同じ輝きを放つ魂が中央に浮かんでいた。


「これを壊せば…」


 リーナは穴の中に右手を入れ、魂に触れる。その瞬間、統括ロボットの口から機械的な声が流れた。


「操作権限を所持が確認できません。これより、緊急モードへと切り替わり、標的を排除します」


 統括ロボットの宣言が終わると共に、リーナの触れていた魂が高熱を発する。リーナは思わず穴から手を抜いてしまった。


 体を引いたリーナに対し、統括ロボットは右手で拳を作り、リーナの腹部へと殴り込んだ。


「ぁ!」


 リーナの口から空気と唾液が飛び出し、リーナは体が浮き上がる。浮き上がったリーナの体に統括ロボットは右足を軸とした回し蹴りで追撃を繰り出す。リーナは声を上げる間もなく、植草へと飛ばされた。


 植草へ飛ばされたリーナは体を起こそうと、腕を前にする。その腕を統括ロボットは両手でしっかりと握り締めた。リーナは植草に飛ばされてすぐに起き上がろうとした。しかし、統括ロボットの移動する速さはリーナの想像を超えていたのだ。


 リーナの腕を掴み上げた統括ロボットは自身の重量を使って、リーナを振り回し始めた。遠心力が加わり、高速で回されるリーナはされるがままにされて投げ飛ばされる。投げ飛ばされた先には病院の窓があり、リーナは窓を突き破って廊下の壁へと激突する。窓を突き破る際に背中から破ったため、ガラスが体に刺さらなかったのは不幸中の幸いだ。


「っはぁ、っはあ…。ふぅ」


 リーナは乱れる息と上がる肩を深呼吸で抑えて、自身が突き破った窓の下を見る。そこにはこちらを見上げる統括ロボットがいた。


「すぐに助けますからね」


 リーナはすぐに中庭に戻るために階段を探そうと窓から離れる。すると、リーナが突き破った隣の窓が勢いよく割れて、外から統括ロボットが入ってきた。


「病院への攻撃を確認。目的を標的の排除から拘束へ移行します」


 統括ロボットの目が赤く光り、リーナを見据える。リーナは統括ロボットから逃げるようなことはせず、胸に空いている穴を目指して走り出す。


 統括ロボットもリーナを拘束するためにナイフをスカートの中へと戻して動き出す。


 リーナは間合いに捕えた統括ロボットへ短剣を突き出す。その攻撃を統括ロボットは左手を差し込むことで魂へ届くことを避ける。人間の肌ならば容易に貫通したであろう短剣は統括ロボットの手のひらで止まり、リーナは反動で動けなくなる。その隙に統括ロボットはリーナの左腕を掴み上げては自身の方向へとリーナを引き戻した。


 その力に抗うことができず、リーナは再び腹部に膝蹴りを食らってしまう。さらに、統括ロボットは膝蹴りの衝撃でリーナを手放すようなことはせず、地に膝をつくリーナの首筋を狙って手刀を繰り出した。


 リーナの視界は上下左右に揺れて平衡感覚を失った。


「あ、ぁ…」


 声にならない声が口から洩れる。意識は朦朧しており、さらに衝撃が加われば完全に落ちるであろう。


「これ以上の攻撃は目標の生命にかかわります。この状態で地下へとお送りいたします」


 統括ロボットは体を動かせないリーナを背中に担ぎ、廊下を歩いて行った。



すみませんでした!6.15日の八時に予約投稿してるつもりができてませんでした!6.16日にその分と合わせて二本投稿させていただきますので、よろしくお願いします!

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