魔獣との対面 24
三人で昼食を食べた後、リーナは部屋に戻り数分寝ようと、ベッドの上で目を閉じた。
「ふわぁあ」
気持ちのいい寝起きを迎え、背筋を伸ばす。その行為でわずかに残っていた眠気も吹き飛んだ。
「さて、二人のところに────」
リーナはベッドから降りて何気なく外を見ると、外は夕焼けで真っ赤に染まっていた。
「うそ!?まだ、落とし穴も完成してないのに!」
リーナは荷物を持って、急いで宿から出ると、宿に入ろうとしたミサキとぶつかる。リーナは体格差により、しりもちをついた。
「大丈夫か?そんなに慌てて」
ミサキがリーナに手を差し伸べる。その手を掴み、リーナは起き上がった。
「ごめんミサキ!私まだ、落とし穴の上に何も敷いてないの!餌のほうも…」
ぶつかった事よりも、作戦が失敗する方かもという不安がリーナにこみ上げる。
「なんだ、それならあたしがやっといたよ」
ミサキはいつもの調子で笑いながら言った。見れば、服にはちらほらと葉っぱなどが付いており、手は土で汚れていた。
「ごめん。私、寝ちゃってた…。穴もミサキに開けてもらったのに」
「いいんだよ!魔獣を狩りたいって言うのはあたしの勝手だし、デルゴンの時も迷惑をかけたからね」
「でも、それじゃ…」
リーナはミサキを体よく扱っているようになってしまったことに、申し訳なく思った。
「でも、魔獣の時は協力して欲しいかな?リーナ、お願いできる?」
「…うん!何でもするから、手伝わせてね!」
そして、三人は魔獣を狩るべく、夜の森に繰り出した。
三人は湖を目指し、夜の道を歩いていた。三人───ミサキが穴を作った場所は昨日の晩に魔獣が姿を現した湖の近くと、ネルが魔獣の寝床と示した洞窟から村へのルート。そして最後にその反対側に一か所だ。
「ネル、魔獣は今どのあたりにいる?」
「寝床の周辺をクルクル、餌に気付いてる、と思う」
ミサキの頭上に乗ったままのネルが、方角を指さす。その方角は、魔獣を発見した方角と一致していた。
「ミサキ、どうする?二手に分かれても良いと思うけど」
洞窟から村へのルートに仕掛けた罠以外の二つはそれほど距離もない。なら、最悪の事態に備えてリーナだけでも、村の近くの罠に行こうとした。
「待って。相手は魔獣、ここは三人で動いた方が確実だと思うんだ」
「わかった。それで、どっちに行く?」
三人で動くのなら、確率の高い湖と寝床の周辺のどちらかだ。
「村と反対方向に行こう。あそこなら、木もいっぱいあったし、あの巨体じゃ戦うのは苦労すると思う」
そうして三人は村の反対側の罠に進んだ。
三人が罠の近くまで来たところでネルが小さい声で
「魔獣、こっちに来てる」
「よし、ネル、魔法をかけてくれ」
そう言われるとネルはミサキの頭から降り、裾から杖を取り出すと
「アンチ・ラクト」
淡い水色の光が三人を包んだ。その後、体の中に入るようにして消えた。
「今のは?」
「匂い消し。猪の鼻でもわからないはず」
リーナは自分の服に鼻を近づけ匂いを嗅ぐが、洗濯する際に使った石鹸の匂いどころか
何の匂いも感じなかった。
「よし、リーナ、あたしたちは木の上で待機しよう。ネルは少し離れたところで報告をお願い」
そう言うと、ミサキは剣を背負ったまま器用に罠の近くにある木に登った。罠を中心として、ミサキと対角になる木に登った。
(ミサキ、リーナ、来る)
((了解!))
ネルの報告より少し遅れて地面の揺れが草木を揺らし、こちらに近づいてくるのがわかった。
最近、何話だったか忘れて投稿した後に編集することが増えてきました笑
いつも読んでくださり、ありがとうございます!




