表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/41

執念深いな

 構えの姿勢を取り、お互いに睨み合う。

 足を開き、腰を落とすダリア。三本の指で何かを掴むように構え、千鳥足の体勢を取るタツ。

 涼しい風が倉庫に入り込んできた。二人は目を見張り、その距離をジリジリ詰める。

 タツが一歩踏んだのを合図に、ダリアの長い足が襲いかかってきた。タツはそれを払いのける。だがダリアの攻撃は止まない。弾かれた反動を利用して反対の足を交互に回してきた。タツは一発一発熊手で制する。

「どうした、双拳の龍」

 ダリアはなお攻撃を続ける。しかし、その足技にバラつきが見えてきた。それを見逃すタツでは無い。

 彼は地面に転がり込み、ダリアの腹部につま先をぶち込んだ。まともに喰らったダリアがよろめく。

 タツは瞬時に身を起こし、鋭い平手打ちを首もと目掛けて連続で打ち込む。ダリアはそれをすべて防ぎ、一瞬の隙を突いて膝蹴りを放った。胸に受けたタツが後ずさる。

 二人の間に距離ができた。ダリアは前転し、地面に手をついて開いた足をブン回した。タツは身を逸らして避ける。

 身を回転させながらダリアが起き上がろうとした時だ。タツの片足蹴りがダリアの顔に入る。

 顔を抑えながらふらつくダリアの脇腹に、タツは間髪入れず肘打ちを打ち込んだ。嫌な感触が肘の先から伝わる。

 ダリアは呻きながら身体を丸めて倒れた。男達が慌てて彼に駆け寄る。

 タツは息を切らしながら見上げた。

「明蘭……」

 彼は近くの木材に足をかけ、鉄骨の隙間を交い潜りスルスルと登っていく。

 あっという間に頂上にたどり着いた。

 明蘭は木材に縛り付けられ、布で口を塞がれていた。気を失っているのか、彼女は目を閉じてグッタリしていた。

「待ってろ」

 タツが彼女に近づいたその時だ。

「まだだ、まだ終わっていない」

 下から追ってきたダリアが肩で息をしながら叫んだ。彼は奇声を上げて飛び上がり、回し蹴りで襲いかかってきた。

 タツは不安定な足場に手こずりながら何とかそれを避けた。資材がぐらつく。それでもダリアはなおも激しく、身体を捻って足を振り回す。

「ダリア、ダメだ止せ」

 その言葉はダリアの耳には届かない。

 タツが端の鉄板に足を乗せたその時、重たい音を立てて鉄板が滑りだした。

 足を救われたタツは倒れ、それによって空振ったダリアもバランスを失い転倒。鉄板は止まらず、そのまま二人ごと下へと落ちていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ