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決戦って奴だ
空は紫に染まり、雲の隙間から下弦の月が覗いていた。
人気のない港についたタツは早速ベントレーから降りた。わかりやすい位置に、ダリアが待つ倉庫がそびえ立っている。
タツは開いたままになっていた大きな入り口に駆け込んだ。中には資材や鉄骨が高く積まれていた。
「ダリア、俺だ」
その声はひんやりした空間に反響した。
「来たな」
資材の陰からダリアが姿を現した。クラブで見かけた男達も数人、辺りから集まってくる。入り口のシャッターが音を立てて降りた。
「ダリア、俺らの因縁にメイは関係無いハズだ」
タツの言葉に、ダリアは鼻で笑った。
「いや、事情は調べた。まさかお前がこんな娘に使われているとはねぇ」
肩を回しながら彼は続けた。
「さぁ、因縁に決着をつけようじゃないか」
「待て、メイはどこにいる」
ダリアは何も答えずに上を向いた。タツがその視線を追うと、明蘭が積まれた資材の上で縄に巻かれていた。
「わかっただろう。彼女を返して欲しければ、全力で俺と闘え」
「……よし」




