保安隊海へ行く 65
「誠君大人気じゃないの。レベッカさん、ああ言うの好き?」
「かわいい絵ですよね。漫画とか結構読んでたので好きですよ」
その言葉を聴いた瞬間に目の色が変わるアイシャ。
「じゃあアニ研新入部員に決定ね」
アイシャはそう言うと端末に手を伸ばした。
「レベッカ、悪いことは言わねえ、その腐った女から離れた方がいいぞ」
「失礼ねえ、同好の士を迎えて歓迎しているだけよ。どこかのアル中みたいに力任せにぶん殴るしかとりえが無いわけじゃないのよ」
「簀巻きにして魚の餌になりてえみたいだな」
要はにらみつけ、アイシャは口元に笑みを浮かべる。鉄板を叩きつける音が響いた。全員が振り返るとこてを焼きそばを載せた鉄板に叩きつけたリアナの姿があった。要達はさすがにこれ以上リアナの機嫌を損ねないようにと、少し離れてビールを飲み始めた。誠は缶ビールを飲みながら焼きそばを食べ終え、健一からとうもろこしをもらって食べ始める。
「菰田、串焼きはどうなってる?」
「もう大丈夫でしょう。西園寺さん、食べます?」
さすがに暑いのか、菰田が汗を拭いながらひたすら串を回転させている。
「いや、これはシャムが好きそうだなって。誠、シャム達と代わってやろうぜ」
誠の肩をつかむと、要はそのまま歩き始めた。
「おい、西園寺!」
「カウラちゃん良いじゃないの。それに今回の旅行では要には結構無理言った事もあるし」
アイシャは悠然とビールを飲んでいた。
「あの串焼き。ナンバルゲニア中尉用ですか?」
手を引いて先頭を歩く要に尋ねる誠。
「分かってきたじゃねえか。あのチビ、ちっこい癖に食い意地は人一倍だからな」
要はそう言うと手を振るスクール水着の少女と少女らしきものに手を振った。
「要ちゃん!遅いよ!」
相変わらずシャムは黄色いスイムキャップを被っている。何度見ても誠には小学生に見えた。
「交代だ。とっとと食って来い!」
「了解!」
シャムはすばやく立ち上がって敬礼すると、そのままリアナ達の下へと急いだ。
「さて、腹は膨らんだし、海でも見ながらのんびりするか」
そう言うと要はまたパラソルの下で横になった。誠はその横に座った。海からの風は心地よく頬を通り過ぎていく。要の横顔。サングラス越しだが、満足げに海を見つめていた。
「じろじろ見るなよ、恥ずかしい」
らしくも無い言葉をつぶやいてうつむく要。誠は仕方なく目をそらすと目の前の浜辺ではしゃぐ別のグループの姿を見ていた。




