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保安隊海へ行く 49

「生まれは長崎っと。それでスリーサイズは?」 

 シャムを押しのけていつの間にか隣に立っていた島田とキムを見て飛びのくレベッカ。

「島田ちゃん。レディーにつまらない質問するとサラに言いつけるわよ」 

「それは勘弁してください。つい出来心で……」 

 アイシャの冷たい視線を浴びて引き下がる二人。だがいかにも残念そうな島田。それに対して再びレベッカの前に立ったシャムは興味深そうに金髪の小柄なレベッカを観察していた。

「でも本当におっぱい大きいね!」 

 そう言うと手を伸ばそうとするシャムだが、要がその手を叩き落とす。

「シャム、餓鬼かテメエは。三馬鹿を喜ばすようなこと言うんじゃねえ!それよりオメエさんら、ただ顔見世に来たってわけか?ご苦労なこった」 

 せせら笑うような要のいつもの表情にもロナルドはうろたえることもなかった。

「まあ嵯峨大佐にとりあえず会ってくれと言われましてね。嫌ならそのまま遼南の海軍基地に帰ってもかまわないと言うことでしたが」 

 嵯峨らしい配慮。誠はあの間抜けな顔をした部隊長がめんどくさそうに画像通信をしている場面を思い浮かべた。

「それでどうするつもりだ?」 

 要がサングラスをずらして上目遣いに誠より一回り大きく見えるロナルドを見上げた。

「なかなかいい環境のようですね。とりあえず聞いていたほど、お馬鹿な集まりじゃないと分かりましたし」 

「そうよねえ、馬鹿なのはこの三人と要だけだもんね」 

 アイシャはそう言って島田、キム、誠を眺めている。

「アイシャ……本当にいっぺん死んで見るか?」 

 要がこぶしを握り締めてアイシャをにらみつける。

「ロナルド・J・スミス特務大尉……」 

「ロナルドでいいですよ。カウラさん」 

 穏やかにロナルドからファーストネームで呼ばれたカウラが顔を赤くして下を向いた。

「ロナルド、そろそろ出かけないと出頭予定時刻に遅れるぞ!」 

 頑丈そうな腕でロナルドの肩をたたく岡部。ロナルドは髪を両手で撫で付けた後静かに手を振る。

「そうだな。では本部でお会いしましょう」 

 ロナルドはそう言うと、部下達を連れてロビーへと急ぐ。

 突然の来客に唖然としていた誠達。そこに入れ替わるようにしてサラとエダ、そして小夏がやってきた。

「姐さん達、遅いですよ!ヒンヌー教徒が場所取ったからつれて来いって騒いでますよ」 

 シャムの隣に立って、両手を腰に当てて小夏が言った。誰がどう見ても小夏が姉の中学生。シャムが妹の小学校低学年と言った風にしか見えない。

「菰田の馬鹿だろ?あんな連中ほっときゃいいんだよ。それより神前。冷えたビールケースで買って来い金は……」 

「そんな、島田先輩。もしかして一人で運ぶんですか?」 

 非情な指令に泣き言を言う誠。

「シャムちゃん手伝うの!」 

「師匠が行くならあたしも!」 

 誠はシャムと小夏が立候補する姿を見てほっとした。だが相変わらず財布のことを考えて上目遣いに島田の譲歩を待つ。

「アタシも行くよ。コンビニの場所とか知らねえだろうし、金はどうせ立替で後で清算だろ?」 

 その言葉、誰もが予想しなかった要の登場に周囲の空気が止まった。

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