保安隊海へ行く 112
「つゆちょっとよこせ」
要はそう言うと菰田につゆを取らせた。
「塩辛くならないか?」
そうめんの鍋に手を伸ばすカウラ。
「そんなだからいつも血圧高いのよ」
そう言ってそうめんをすするアイシャ。要は二人の言葉を無視して濃いめのつゆを作り終わると鍋の中のそうめんに手をつけた。
「いいねえ、夏ってかんじでさ」
鍋の中のそうめんを箸で器用につまむ要。誠は遠慮がちに箸を伸ばす。
「飲み物あるわよ」
パーラがそう言うとコーラのボトルを開けた。
「ラビロフ中尉!オレンジジュースお願いします!」
「じゃあ俺はコーラで良いや」
「ジンジャーエール!」
菰田、ヤコブ、ソンの三人が手を上げている。
「アタシは番茶でいいぜ。誠はどうするよ」
「僕も番茶で」
要が一口でそうめんを飲み下すとまた鍋に手を伸ばす。誠はたっぷりとつゆをつけた後で静かにそうめんをすすった。
「私も番茶で良い。甘いものはそうめんには合わない」
「そう?私コーラが欲しいんだけど」
ゆっくりとそうめんをかみ締めるカウラ。アイシャは手にしたコップをパーラに渡す。
「じゃあ俺はオレンジジュースをもらおうかな」
島田は菰田に対するあてつけとでも言うようにパーラが菰田のために注いだばかりのオレンジジュースを取り上げた。にらみつける菰田を無視してそれに口をつける島田。サラが気を利かせてすぐさまオレンジジュースをコップに注ぐと菰田達の下にジュースを運んだ。
「ここ数日は本当に夏らしいわねえ」
少なくなった鍋の中のそうめんをかき集めながらアイシャがしみじみとそう言った。その言葉でなんとなく一同は夏らしい気分を堪能していた。
「そう言えば荷物とかは良いんですか?」
誠は食べ終わったというように番茶を飲んでいる要に尋ねた。
「まあ、アタシはベッドと布団くらいかな、持ってくるのは。それより、こいつはどうするんだ?」
要が指差した先、そうめんをすすっているアイシャがいた。
「まあ、一度には無理っぽいし、トランクルームとか借りるつもりだから。まあテレビがらみの一式と漫画くらいかなあ、とりあえず持ってこなきゃならないのは」
「おい、あの量の漫画を運ぶ気か?床抜けるぞ」
「私は漫画が無いと寝れないのよ。それに全部持ってくるつもりも無いし」
そう言うとアイシャはめんつゆを飲み干した。




