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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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61話 人形や傘


 昭和◯◯年◯月◯日


 ちょっと金持ちそうな家に行くと、玄関にある日本人形。

 あれはどこからやって来たのか?


 木彫りの熊は解る。

 北海道土産なんだろう。


 それじゃ日本人形は?

 博多人形っていうのもあるから、九州土産なのか?


 土産だとして、あれをどうやって持って帰ってくるのか?

 昭和の中期に宅配便などなかったしな~。


 とりあえずものを送るとなると郵便小包。

 かなりデカいものも、郵便で送っていた。


 上京したりして、布団を送ったりするのも郵便小包。

 えんじ色の専用布団袋があったりした。

 細い針金の住所タグをつけて送るんだが、到着までめちゃ時間がかかったり。


 人形を送るにしても、あんな壊れ物を送れるとも思えない。

 謎である。


 小金持ちの家じゃない家の玄関にも、あるものがあった。

 俺がガキのころに流行っていた、タバコの空き箱傘。

 タバコの空き箱を切って折って、つなげて、ミニチュアの傘にする。

 誰が考えたのか知らないが、あちこちの家にあった。


 ウチの祖母もこれにはまりまくり、めちゃ作ってた。


「この柄が欲しいから、このタバコ吸って!」とか爺や親父にリクエストしていたのだが、爺はハイライトかピース、親父はエコーしか吸わない。

 それゆえ、いつも同じ柄になってしまい、つまらなかったのだろう。


 変わったタバコの空き箱があれば、変わった模様の傘が作れるのだが、中々難易度は高い。

 知り合いの喫煙者たちに声をかけて空箱を集めていたが、セブンスターとかチェリーとか、そういうのが多かったな。


 中々変わったタバコを吸っている人がいなかったみたい。


 ウチのオカンも傘を作っていたのだが、凝っていたのは、小さいキューピー人形に着せる服。

 編み物で帽子や服などをつくって、戸棚に飾っていた。

 プラモもそうだけど、こういうのって作っているときは楽しいのだが、作ったあとに飾ると邪魔になる。

 今のように、専用の飾り棚やLED照明などがない時代だし。


 まぁ、空き箱傘やキューピー人形もすぐに廃れてしまったな。

 ネットでググると、傘は今でも作っている人がいるみたいで驚く。


 傘やキューピー人形はまだ解る。

 理解不能だったのが、黒いサントリーオールドの瓶を上下に重ねて作った人形。


 あれは不気味だし、可愛くもなんともない。

 なぜ、あんなのが流行ったのか、意味不明である。


 あと、5円玉をつなげて作った銭亀とかさ~。

 あれは縁起物なのかな?

 とりあえず、意味不明なものが沢山あった。


 空き箱傘を作っていた祖母は、新聞のチラシを切って丸めて、ニスを塗って玉暖簾を作ってたことがあったな~。

 買うと結構高いから、自作したんだろうな~。


 そういえば、ウチのオカンがペーパーフラワーを作っていたことがあった。

 あれって、内職商法に引っかかったのだろうか?


 先に、ペーパーフラワーの道具やらキットを買わせて、完成したものを引き取りますよ~みたいな?

 でも、そういう内職商法の買取価格ってクッソ安いんだよね~。


 1個10円とかさ(笑)


 

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