表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
昭和の話  作者: 朝倉一二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/70

その59 下宿


 昭和◯◯年◯月◯日


 親と一緒に街に行くと、いつもドックの近くにある家に向かう。

 完全木造の鎧張りの家で、玄関から入ると土間がある本当に昔ながらの大きな家。


 玄関の土間がそのまま廊下のように繋がっており、奥には炊事場が見えた。

 土間のすぐ横には2階に上がるための急な階段。


 ここがどこだかさっぱりと解らずに、ずっと親戚の家かと思っていた。

 親戚の関係とか、親が全然教えてくれないから、どういうつながりなのかさっぱりと解らん。


 例えば、祖母の時代で親戚でも、孫の俺の時代まで下ってしまうと、もう他人だよね~。

 親戚だって話は聞いているけど、つき合いなんて、オカンの代で止まってるしさ。


 俺が今住んでいる家も、購入するときに――「あそこの家と親戚なんすよ」と話したら、「ウチもなんですよ」

 って結局、元は親戚同士じゃねぇか。

 みたいな感じ。


 それはさておき、港の家がどこだかさっぱりと解らなかったのだが、後々の会話から、オカンが女学生時代にいた下宿屋らしい。


 下宿というのは、普通のアパートと違って、朝晩の飯が出る。

 普通の一軒家みたいな所もあるし、食堂があるちょっと大きめの所まで様々。


 オラが村には小学と中学しかないので、その上の学校に行くとなると、どうしてもこういう下宿の世話になった。

 まぁ、今なら普通のアパートで自炊してもいいのだが、昭和の学生というと下宿という感じ。

 そういえば、最近下宿という言葉も聞かなくなった。


 かくいう俺も、高校時代は札幌で下宿していた。

 飯が出るのはありがたいのだが、正直あまり美味くない(笑)

 下宿人の好みに合わせて出してくれないからさ~、しゃーないよね。

 よく、ハンバーガーや、ほか弁を買っていた。


 アニメや漫画にも下宿なんて出ることはなくなったよね~。


 オカンは下宿の女将さんと昔話をしているのだが、そこにはなにも遊ぶものがなかったから、暇だったな~。

 子どもが、あまり行きたくない場所の一つだった。


 そこから出ると、魚市場の入口にある食堂でいつも食事を摂る。

 本当に食堂って感じの食堂。


 ビニルを貼ったピンク色のパイプテーブルに、丸くて赤いパイプ椅子。

 そこでいつもラーメンを食っていた気がする。


 場末の食堂なので、当然子どもが好きそうなものはなにもない。

 カレーもハンバーグも、お子様ランチも、クリームソーダもない。


 まぁ、ラーメンでもいいのだが、俺の興味はテーブルの上にある丸い銀色の物体に向いていた。

 昔よく見かけた、コインを入れる占い器だ。


 全周にぐるりとコインの投入口があって、星座によって分かれている。

 1回50円ぐらいしてた気がする。


 俺はやってみたくて興味津々なのだが、親は「ダメダメ」と取り合ってくれない。

 それでも、わがまま言って、1回だけやらせてもらった。

 喜んでコインを入れると、小さな巻紙が出てくるだけ。

 そこに占いの結果が書いてある。


 この占い器、全周にコインの投入口があるのだが、結局中にコインが落ちるだけで、どこから入れても結果は一緒。


 まぁ、親の言う通り子ども騙しだったね(笑)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
田舎の親戚は広いです 笑 祖母の従姉妹ぐらいなら大伯母扱いぐらい 祖母の祖母の妹が嫁いだ家とか位まで親戚扱いだったりします うちは曾祖父が官吏だったので曾祖父が結婚した隣村の名主や 祖父が結婚した御〇…
>どこから入れても結果は一緒。 そりゃそうだ⋯⋯。言われて初めて気がつきました。 あんな小さくて全部の星座分入ってるわけないじゃん! やったことないけど騙された(笑
>ビニルを貼ったピンク色のパイプテーブル 懐かしい!  急に記憶が蘇って来ました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ