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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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46/51

その46 海水浴


 昭和◯◯年◯月◯日


「あっつい!」

 地元の海に来ている。

 砂浜が暑くて裸足で歩けないので、ビーチサンダルを履く。

 気をつけないと、重油のタールが落ちていて、そいつがこびりつくと厄介だ。


 ガラス球の浮きや、砂浜で洗われて丸くなったガラス片などを拾う。


 夏になったら、1回は海水浴にくるのが常だった。

 夏に思いっきり日焼けすると、身体が丈夫になる。

 冬に風邪をひかない――なんて言われてたけど、なんの根拠もない。


 日光に当たるとビタミンDができるとか聞いたので、日光浴は大切かもしれないが、日焼けする必要はないと思う。

 シミの原因にもなるし、デメリットしかない。

 まぁ、男子ならシミなんて関係ないが。


 家に車がなかったときには、海水浴に出かけるのも大変で、あまり行った記憶がない。

 親父が勤めていたタクシー会社の慰安で、海水浴にいったときぐらいだろうか?


 夏だというのに、めちゃ寒かった記憶がある。

 みんな唇を紫色にしていた。

 個人的な海水浴なら、行くのを止めるところなんだろうけど、会社の行事だとそうもいかないのだろう。


 車がないと中々ハードルの高い海水浴だが、我が家に車がくると、毎年のように出かけるようになった。

 俺は砂浜が好きだったのだが、親父は岩場が好き。


 曰く、「岩場のほうが面白いだろう?」と、言っていたのだが、海水浴って砂浜で遊ぶイメージじゃない?

 たしかに、生き物は岩場のほうが沢山いるけどさぁ。


 岩場には、ウニやアワビもいるが――。

 昭和の時代から、ここらへんは漁業権がうるさく言われていて、見つかるとアウツ。

 でも、獲って食ってるやつらはいた。


「その場で食うからおk」って言っていたが、本当か?


 岩場に生き物がたくさんいると言われても、珍しい生き物がいるわけでもない。

 アメフラシやら、イトマキヒトデぐらいか。

 それか、めちゃ数がいるんだけど、動きがマッハで早い、フナムシか。


 イトマキヒトデじゃなくて、普通に腕があるヒトデが見たかったな。

 でも、イトマキヒトデしかいなかった。


 珍しいといえば、奥尻島に行ったときか。

 親父が仕事の関係で、港にいた人と知り合いになる。

 その人は奥尻島の人だったのだが、その伝手で、島に遊びに行くことになった。

 ちょうど、奥尻島への観光客も増えたとき。


 フェリーに乗って奥尻島を目指す。


 穴の開いた岩や、スゲー階段の先にある神社? のことは覚えているなぁ……。

 階段が険しくて、結局その先にはいかず。


 正直、あまり詳しい島の記憶がない。

 まぁ、かなり小さかったしな~。

 記憶はあやふやだが、島の岩場で釣りをした際にオカンがなにか釣り上げたのは、鮮明に覚えている。


 なにか釣り上げた途端、オカンが悲鳴を上げて、竿を放り投げたのだ。

 周りに黒くて毛が生えたような、ワラジ虫のような生き物。


 確かにキモい。

 記憶を元に、ネットで今ググってみると――ケハダヒザラガイという貝の仲間らしい。

 今画像で見ても、毛は生えていない。

 周りの黒いところが毛に見えただけだったようだ。


 多分、針で引っ掛けたんだろうなぁ。

 あれって貝だったんか~。


 親父はすぐに海に捨てていたが、食えるらしい(笑)

 しかも美味いと。

 マジか~。

 でも、食う気はしないよな~。


 とりあえず食ってみる人がいて、そのデータが残っているのが、日本のすごいところだな。


 

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― 新着の感想 ―
実際いま海水浴離れが進んでいるそうですね 入ってる時の楽しさとその後の体調ケアやベタベタの不快感などを 比べるとプールでいいやとなっちゃったり津波が怖かったり… 海の家が姿を消すのも遠い話ではないかも…
小学生だった頃は、夏休み開けにお互いどれだけ黒くなったかを競い合った覚えがありますな〜。 腕や背中の皮を剥いて、その剥けた大きさを自慢したりとかも。 今から思うと汚ぇなって思います(笑)
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