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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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45/51

その45 象が踏んでも壊れない


 昭和◯◯年◯月◯日


 TVを観ていると、CMが流れる。


「象が踏んでも壊れない~!」

 小学1年の頃、学校でどんな筆箱を使っていたか思い出せないが、小学中学年になると、多機能筆箱が流行り始めた。


 最初はプラ製の頑丈が売りだけだったのだが、多分売れ行きがよかったのだろう。

 すぐに上下両面開き、3面、4面と、機能が暴走し始めた。


 夕方4~5時には、子ども向けのCMがドンドン流れて新製品を紹介していく。

 ワンタッチで開くとか、巻き尺がついているとか、鉛筆削りがついているとか、文字通り多機能化していった。


 今のネットを見ると、筆箱の機能的には、ほとんど変わっていない。

 あの頃すでに頂点に達していたようだ。


 俺は格好いいと思って、電子部品などを入れていた(笑)

 だって、筆箱にLSIとか格好いいじゃん?


 シャーペン、ボールペンは禁止だったので、鉛筆と消しゴムしかはいっていない。

 そのころ、ちょうどゴム消しから、今と同じ消しゴムに変わった頃だった。

 消しゴムって、最初マジでゴムだったんよ。


 俺たちは、ゴム消しと区別して、新しいのはプラ消しと呼んでいた。

 このゴム消し、安いけど全然消えないんだ。

 こすっても黒くなるだけ、消しゴムカスも出ない。


 まぁ、カスが出ないからずっと使えるんんだけど、消えないからな~。

 ゴムで消せるなら、運動靴のゴムでも消えるんじゃね? ――と、運動靴で消すやつもいた。


 そんなわけで、プラ消しが出てきて、感動したね。

 だが、新しいアイテムの出現は、新しい遊びの入口でもある。


 消しゴムカスを集めて、ひとまとめにしてみたり。

 消しゴムを切り刻んで飛ばしてみたり。


 切り刻むには、ボンナイフが使われる。

 今ならカッターとかだろうが、当時はボンナイフか、肥後守しかなかった。


 これまた、プラ消しは、ボンナイフでいい具合に切れるんだ。

 こんな面白いものを、男子が放っておくはずがない。

 ありとあらゆるオモチャにされた。


 メーカーもプラ消しを売り出したら、爆発的に売れたのが解ったのだろう。

 次から次へと新製品を出してきた。

 最初は白だった消しゴムが、色とりどりに。

 四角だった消しゴムが、色々な形に。


 中でも人気だったのが、においつき。

 変わったにおいが出るたびに買っていた。


 まぁ、集めたからといって消しゴムは消しゴムで、それ以外の使い道はないのだが。

 甘い香りとか、柑橘系とか、最後にはラーメンのにおいなどが出たところが頂点だったと思う。


 それが当たり前になってしまって、コモディティ化したということなのだろう。

 変わった新製品も出なくなってしまった。

 そりゃ、一通り出したら、ネタ切れするよなぁ。


 筆箱も、中学になったら缶ケースになり、高校はチャックつきの袋だった。

 ネットを見ると、未だに小学男子は多機能筆箱みたいだし、虫を入れるのも定番のようだ。


 男子のオカンの嘆きをよく見る(笑)

 お母さん、ダンスィってのは、そういう生き物なのですよ。


 諦めてください。


 

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― 新着の感想 ―
ノック式ボールペンのノック部分でペン先を引っ込めるときに戻る勢いで 消しゴム切った奴をおはじきみたいにして 机を舞台にして遊んでましたねぇ その内食玩でゴム製の小っちゃいスーパーカーが出だして 机の…
懐かしいコラムをありがとうございます。 砂消しと一体になった菱形の消しゴムを、小学校の担任が使っていました。僕は、カッターナイフで紙を削ってましたが、ホワイト修正液が出てからは、そういう事も減りまし…
私が小学校に入った頃はボチボチ多機能筆箱が登場した頃で、アーム筆箱はもう主流ではありませんでした。 ところが仲間うちの誰かが持ってきたんですよね、象が踏んでも壊れないアーム筆箱。 「象が踏んでも壊れな…
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