その45 象が踏んでも壊れない
昭和◯◯年◯月◯日
TVを観ていると、CMが流れる。
「象が踏んでも壊れない~!」
小学1年の頃、学校でどんな筆箱を使っていたか思い出せないが、小学中学年になると、多機能筆箱が流行り始めた。
最初はプラ製の頑丈が売りだけだったのだが、多分売れ行きがよかったのだろう。
すぐに上下両面開き、3面、4面と、機能が暴走し始めた。
夕方4~5時には、子ども向けのCMがドンドン流れて新製品を紹介していく。
ワンタッチで開くとか、巻き尺がついているとか、鉛筆削りがついているとか、文字通り多機能化していった。
今のネットを見ると、筆箱の機能的には、ほとんど変わっていない。
あの頃すでに頂点に達していたようだ。
俺は格好いいと思って、電子部品などを入れていた(笑)
だって、筆箱にLSIとか格好いいじゃん?
シャーペン、ボールペンは禁止だったので、鉛筆と消しゴムしかはいっていない。
そのころ、ちょうどゴム消しから、今と同じ消しゴムに変わった頃だった。
消しゴムって、最初マジでゴムだったんよ。
俺たちは、ゴム消しと区別して、新しいのはプラ消しと呼んでいた。
このゴム消し、安いけど全然消えないんだ。
こすっても黒くなるだけ、消しゴムカスも出ない。
まぁ、カスが出ないからずっと使えるんんだけど、消えないからな~。
ゴムで消せるなら、運動靴のゴムでも消えるんじゃね? ――と、運動靴で消すやつもいた。
そんなわけで、プラ消しが出てきて、感動したね。
だが、新しいアイテムの出現は、新しい遊びの入口でもある。
消しゴムカスを集めて、ひとまとめにしてみたり。
消しゴムを切り刻んで飛ばしてみたり。
切り刻むには、ボンナイフが使われる。
今ならカッターとかだろうが、当時はボンナイフか、肥後守しかなかった。
これまた、プラ消しは、ボンナイフでいい具合に切れるんだ。
こんな面白いものを、男子が放っておくはずがない。
ありとあらゆるオモチャにされた。
メーカーもプラ消しを売り出したら、爆発的に売れたのが解ったのだろう。
次から次へと新製品を出してきた。
最初は白だった消しゴムが、色とりどりに。
四角だった消しゴムが、色々な形に。
中でも人気だったのが、においつき。
変わったにおいが出るたびに買っていた。
まぁ、集めたからといって消しゴムは消しゴムで、それ以外の使い道はないのだが。
甘い香りとか、柑橘系とか、最後にはラーメンのにおいなどが出たところが頂点だったと思う。
それが当たり前になってしまって、コモディティ化したということなのだろう。
変わった新製品も出なくなってしまった。
そりゃ、一通り出したら、ネタ切れするよなぁ。
筆箱も、中学になったら缶ケースになり、高校はチャックつきの袋だった。
ネットを見ると、未だに小学男子は多機能筆箱みたいだし、虫を入れるのも定番のようだ。
男子のオカンの嘆きをよく見る(笑)
お母さん、ダンスィってのは、そういう生き物なのですよ。
諦めてください。




