その43 お祭り
昭和◯◯年◯月◯日
朝から、拍子と太鼓の音が聞こえてくる。
今日はムラのお祭りだ。
正直、お祭りや行事は好きではないのだが、同調圧力があるから嫌とは言えん。
とりあえず、子どもは全員参加するので、俺だけ「嫌」と言っても、親から出されるだけ。
まぁ、低学年のときは、なにも知らずに親に言われるがまま、ハッピを着て外にだされるわけだが。
学年が上がると、ちょっと斜に構えるところが出てきちゃったりするので。
文句を言いつつ、参加するとちょっと楽しかったりもしたので、毎年参加していた。
祭りといえば、神輿と山車。
神輿は大人神輿と、子ども神輿があるのだが、神輿には参加したことがない。
もっぱら普通の子どもたちは、飾り付けられた山車を引っ張る。
うちのムラは明治からあるのだが、そんな古いものでもないだろう。
タイヤは、普通のトラックのタイヤだし。
――となると、戦後に作られたものか。
昔は木の車輪だったが、戦後にタイヤに作り直された可能性もあるか。
俺が子どもの頃は、マジで子どもたちが引っ張る力だけで山車が動いていた。
まぁ、100人ぐらいで引っ張っていたからな~。
ピーヒャラドンツク、笛と太鼓の音を響かせて、村中を引っ張るわけだ。
太鼓は、子どもたちが交代で叩いていたが、笛は難しいのでテープだったと思う。
テープのない時代は、本当に演奏しながら、村中を練り歩いていた。
そんな山車だが、子どもが少なくなってくると動かなくなる。
今や上から下まで集めても20人ぐらいしかいない。
子どもは湧いてこないので、今はエンジンかモーターで動いているものと思われる。
今はまったく祭りに参加していないので、どうなっているのか解らないんだよな。
とりあえず、ご祝儀は出しているけど。
多分、モーターだよなぁ……。
暗くなってくると、山車や神輿は終了~。
通りや神社には、夜店が立ち並ぶ。
ここからは、ガキどものお楽しみタイムだ。
大した興味もない祭りに参加したのは、このときのため。
小遣いをもらって、夜店で買い物ができる。
ハッピータイムだ。
当時、食い物の屋台はあまりなかった気がする。
綿あめぐらいか。
流通とか保存の問題があったんだろうな。
林檎飴はあった気がするが、一度買ってもらって、普通のリンゴだったから「もういいや」ってなった(笑)
金魚すくい、亀すくい、カラーヒヨコ、水風船、型抜き、お面、射的――。
商品に紐がついていて、紐を引っ張るとその商品が当たるってのもあった。
ああいうのは、全部インチキだよな(笑)
高額な商品やオモチャには絶対当たらないようになってる。
駄菓子屋のクジも、大当たりが残ってるんで残りを全部引いたら、それでも当たらなかったし。
でなかった大当たりは、別に売りに出されたり。
最初からインチキやんけ。
地元の通りは大したことはなかったが、港町の祭りはすごく賑やかだった。
当時は、人が多かったからな~。
人が多ければ、儲けもデカくなる――というわけで、全道からテキヤが集まってきてたわけだ。
そんな賑やかな祭りだったのに、今はガラガラで、夜店も出ない。
多分、テキヤも後継者不足で全部潰れたんだろうな~。
今は、役場の職員が店を出したりしてるし。




