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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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43/59

その43 お祭り


 昭和◯◯年◯月◯日


 朝から、拍子と太鼓の音が聞こえてくる。

 今日はムラのお祭りだ。


 正直、お祭りや行事は好きではないのだが、同調圧力があるから嫌とは言えん。

 とりあえず、子どもは全員参加するので、俺だけ「嫌」と言っても、親から出されるだけ。


 まぁ、低学年のときは、なにも知らずに親に言われるがまま、ハッピを着て外にだされるわけだが。

 学年が上がると、ちょっと斜に構えるところが出てきちゃったりするので。


 文句を言いつつ、参加するとちょっと楽しかったりもしたので、毎年参加していた。

 祭りといえば、神輿と山車。

 神輿は大人神輿と、子ども神輿があるのだが、神輿には参加したことがない。


 もっぱら普通の子どもたちは、飾り付けられた山車を引っ張る。

 うちのムラは明治からあるのだが、そんな古いものでもないだろう。

 タイヤは、普通のトラックのタイヤだし。

 ――となると、戦後に作られたものか。


 昔は木の車輪だったが、戦後にタイヤに作り直された可能性もあるか。

 俺が子どもの頃は、マジで子どもたちが引っ張る力だけで山車が動いていた。

 まぁ、100人ぐらいで引っ張っていたからな~。


 ピーヒャラドンツク、笛と太鼓の音を響かせて、村中を引っ張るわけだ。

 太鼓は、子どもたちが交代で叩いていたが、笛は難しいのでテープだったと思う。

 テープのない時代は、本当に演奏しながら、村中を練り歩いていた。


 そんな山車だが、子どもが少なくなってくると動かなくなる。

 今や上から下まで集めても20人ぐらいしかいない。


 子どもは湧いてこないので、今はエンジンかモーターで動いているものと思われる。

 今はまったく祭りに参加していないので、どうなっているのか解らないんだよな。

 とりあえず、ご祝儀は出しているけど。

 多分、モーターだよなぁ……。


 暗くなってくると、山車や神輿は終了~。

 通りや神社には、夜店が立ち並ぶ。

 ここからは、ガキどものお楽しみタイムだ。


 大した興味もない祭りに参加したのは、このときのため。

 小遣いをもらって、夜店で買い物ができる。

 ハッピータイムだ。


 当時、食い物の屋台はあまりなかった気がする。

 綿あめぐらいか。

 流通とか保存の問題があったんだろうな。

 林檎飴はあった気がするが、一度買ってもらって、普通のリンゴだったから「もういいや」ってなった(笑)


 金魚すくい、亀すくい、カラーヒヨコ、水風船、型抜き、お面、射的――。

 商品に紐がついていて、紐を引っ張るとその商品が当たるってのもあった。

 ああいうのは、全部インチキだよな(笑)

 高額な商品やオモチャには絶対当たらないようになってる。


 駄菓子屋のクジも、大当たりが残ってるんで残りを全部引いたら、それでも当たらなかったし。

 でなかった大当たりは、別に売りに出されたり。

 最初からインチキやんけ。


 地元の通りは大したことはなかったが、港町の祭りはすごく賑やかだった。

 当時は、人が多かったからな~。


 人が多ければ、儲けもデカくなる――というわけで、全道からテキヤが集まってきてたわけだ。

 そんな賑やかな祭りだったのに、今はガラガラで、夜店も出ない。

 多分、テキヤも後継者不足で全部潰れたんだろうな~。


 今は、役場の職員が店を出したりしてるし。



 

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― 新着の感想 ―
昔は各町内会にお神輿がありましたがいつのまにか一台のお神輿を 各町内会で回して使うようになってて「賢いな」と思いました。 大人になってから祭りを開く側になって駄菓子の問屋とかに行くと メンコの当たりは…
多分、テキヤも後継者不足で全部潰れたんだろうな~。  今は、役場の職員が店を出したりしてるし。 いや、多分それは「暴対法」のせいかと。
ウチの部落の祭りでは軽トラの上に子ども神輿が乗ってますね。 子どもたちは軽トラの上の神輿に繋がっている紐を引っ張りながらただ練り歩くという感じです。 神輿って担ぐものだったと思うのですが、確かに子ども…
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