その41 たなばたさま
昭和◯◯年7月7日
今日は七夕である。
ガキのころは、ちゃんと柳を取ってきて、短冊をつけたりした。
でき上がったら玄関に飾る。
「ささのは、さ~らさら、のきばにゆれる~」
この童謡はパブリックドメインだから、セーフ(笑)
それはそうと、なぜ柳なのか?
北海道には笹竹が生えてないので、柳を使うのだ
正確には、千島笹は生えているので、それが使えそうな気がするのだが、かなり山奥までいかないと取れない。
柳はそこら中に生えているので、柳を使うようになったと思われる。
本当に、毎年毎年やってたな~。
まぁ、娯楽がないんで、そういう行事だけ、みんな一年前から楽しみにしている感じだった。
北海道の七夕が少々違うところは、夜になると村中を周って歩く。
「ローソクだ~せ~だ~せ~や~、出さないと引っ掻くぞ~」
ローソクを出せって言ってるが、ガキがもらうのはお菓子である。
子どもが仮装して、お菓子をもらいにいく、ハロウィンとそっくり。
古い婆さんだと、渡してくるのがお菓子ではなく、本当にローソクだけだったりして、子どもたちもがっかり。
まぁ、それが正式なんだけどね~。
いつからお菓子をもらうようになったのか不明。
ネットで調べてみると、この七夕の風習は、青森のねぷたからきているようだ。
俺が住んでいる道南は、昔から東北地方とのつながりが強い。
方言も東北各地の方言を集めたような感じだし。
本当は地区ごとに縄張りみたいなのがあるのだが、ガキはそんなのお構いなし。
周りが真っ暗になるまで、とんでもない離れた家まで、遠征したりしていた。
そして、帰ってきたら新聞紙に広げて、戦果を確かめる。
「一気に食べるんじゃないぞ」と親に言われても、まぁ、食うよな。
なかには、お菓子じゃなくて、おひねりをくれる家もあった。
50円ぐらいだったけど、これは嬉しかったな~。
やっぱ、現金よ(笑)
ジブリの「思い出のマーニー」を観てたら、この七夕シーンが出てきて、「え? これって道南の話なん?」と驚いたことがある。
まぁ、画面の中の風景はどうみても道南じゃなかったが。
それじゃ、あの湖は、大沼小沼だったのかもしれない。
もちろん、あんな景色の場所はない。
イメージ的には、釧路湿原のほうが近い気がしたのだが、ジブリのイメージで作られた景色なのだろう。
そんな大騒ぎをした七夕だが、子どもの数が少なくなり、規模もかなり小さくなった。
今では、子どものある家庭が、地区の数件を周って終了~みたいな感じになってる。
まぁ、子どもがいる家のほうが少ないからね。
小学校だって、もう10人ぐらいしかいないし。
ついには、役場のある町への併合が決まってしまった。
昔はどこにいってもガキで溢れ、各集落にも小学校や山奥にも分校があったのに、今や全部廃校。
仕方ないとはいえ、どの昔話を書いても、今はガキがいなくなってしまったという事実に収束してしまうなぁ(笑)




