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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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32/54

その32 ボウリング


 昭和◯◯年◯月◯日


 カエルがTシャツに張り付いて、どっこい生きてるというアニメを観ていると、プロボーラーの中山律子プロが出てきた。

 マジで本人である。

 確か、声も本人だったような……。


 当時、人気ドラマに、有名人がカメオ出演することがあった。

 仮面ライダーにも、「リンダこまっちゃう♡」の山本リンダが、本人役で出たことが。


 ――とまぁ、アニメにカメオ出演するぐらいに、当時ボウリングが大ブーム。

 日本の津津浦浦に、屋根にボウリングピンを掲げたボウリング場が建ち並び、オラが村にもボウリングブームはやって来ていた。


 さすがに、村にボウリング場はできなかったが、海岸沿いに2軒もデカいボウリング場ができて、連日の大盛況。

 ウチの叔父貴(オカンの弟)も、マイボールマイシューズを買って、しょっちゅうボウリング場に出かけていた。

 ボウリング大会にも出場していて、トロフィーも飾っていたな。


 火付け役となった、中山律子プロを初め、須田開代子プロなども、あちこちで引っ張りだこ。

 TVでは、「炎のチャレンジャー」みたいなスポ根も流れたり。

 当然、中山律子プロもカメオ出演だ~。


 そんな感じで60年代後半から始まったボウリングの大ブームも、70年代前半がピークで落ちてきた。

 あちこちでボウリング場が閉鎖となり、地元のボウリング場も潰れる。


 デカい建物は居抜きで、色々な商売に転用されたのだが、目印であるボウリングのピンはそのまま。

 あれは撤去に金がかかるそうで。

 なぜか、撤去されたボウリングピンがオブジェとしてそのまま転用されることも多かった。

 町や県の境目などに、「◯◯へようこそ!」という看板とともに並べられていたり。


 ウチの地元にあったボウリング場の跡地も、1軒は廃墟になってしまったが、未だにそのまま建物が残っている。

 ガラスは割れ、壁は崩れているのだが、建物はそのまま。

 まさに、国敗れてサンガリア。


 叔父貴が使っていたマイシューズは、そのまま俺が昭和の終わりの第二次小ブームのときに使っていた。

 そのころに始まった、テレビ東京のザ・スターボウリングを最終回まで観ていたな~。


 昭和◯◯年◯月◯日


 親父から「蒸気機関車と飛行機どっちに乗りたい?」と聞かれる。

 当時、日本のあちこちで蒸気機関車が引退していたが、北海道は最後の最後までSLが走っていた。

 鉄道はなん回か乗っていたのだが、全部ディーゼル車。

 蒸気機関車は乗ったことがなかった。


 かなり迷ったのだが、俺は飛行機を選択。

 航路は、函館空港→札幌の丘珠空港――機種はYS-11。


 YS-11は成層圏まで登らず、高度5000mぐらいを飛ぶ。

 当日、雲の中を飛びまくり、めちゃ揺れる。

 ガキの俺はキャッキャしていたのだが、親父を含めほとんどの乗客は、ゲロ袋を抱えてリバースしっぱなし。


 全部含めてフライト時間は、1時間ぐらいだったかと思う。

 そのすぐあとに蒸気機関車がなくなってしまったので、蒸気機関車のほうがよかったのかも……。


 まぁ、YS-11も引退してしまったからもう乗れないが、蒸気機関車なら今でも乗れる場所があるから、やっぱりYS-11で正解だったか。



 

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― 新着の感想 ―
そいえば潰れたボーリング場をスーパーにしたのが未だに残ってますね。かれこれ半世紀近くになりますがかなり頑丈な作りしてます。
おらが町のボーリング場には、待ち合わせ用?のラウンジにインベーダーゲームがあり、比較的安全なゲーム場でした。 あの頃の中学、高校は荒れてたところも多かった。
雲の中を飛ぶ飛行機というと 子供の頃に観た海外ドラマ「ミステリーゾーン」に出てきたグレムリンを追い出します
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