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昭和の話  作者: 朝倉一二三


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17/70

その17 電話


 昭和◯◯年◯月◯日


 小学生の頃、自宅にやっと電話がついた。

 もちろんアナログで、黒いやつ。

 その頃には、オラが村にも自動交換機が設置されていたので、普通にダイヤルを回すだけで繋がる。


 母の実家は商売をしていたので、かなり初期から電話があった。

 その頃の電話は、ボディについているハンドルをグルグル回して、交換手を呼び出し――番号を伝えて、繋いでもらう。

 遠方だと、交換手→遠方の交換手につながり、そこでさらに電話番号を伝えて繋いでもらう――という、面倒なことをやっていた。


 それが自動交換機で面倒フリーになったわけだ。

 交換手時代は、夜中だと交換手が寝ていて、中々起きてこない――みたいなこともあった(笑)。

 交換手の爺さんが、酔っ払っていて伝わらないとか。

 さすが、昭和。


 地元が自動交換機になっても、地方によっては、まだ交換手がいた。

 ニュースでやっていたが、完全に交換手という職業がなくなったってのは、つい最近らしい。


 電話がついたので、意味なく時報を聞いてみたり、天気予報を聞いてみたりもした。

 電話がなかったときには、どうしていたのか?


 郵便局の前にある電話ボックスに行くか、向かいの家に電話があったので、借りにいく。

 その家が、ウチへの電話を受けてくれることもあったり。

 マジで地域全体で、持ちつ持たれつって感じ。


 そういうのが好きな人ならいいが、当然、人付き合いも増えるし、いいことばかりではない。

 俺みたいな、人付き合いが嫌いな人間にとっては、中々に住みにくい時代だった。


 電話がない場合、超急ぎでの連絡には電報を使う。

 冠婚葬祭にも電報を読み上げる場面が普通にあった。


 電話が普及し始めたってことで、学校の学級連絡網も始まる。

 この電話をかけるのが嫌でな~。

 男子は男子、女子は女子でかければいいのに、最初は男女バラバラだったんよ。


 女の子の家に電話をかけたら、「てめぇ! なにもんだ! ウチの娘に色目使ってんじゃねぇ!」なんて怒鳴られたり(笑)。

 話が通じないので、親に変わってもらったが。

 面倒くせー!

 そういうのがトラウマになって、電話嫌いに。


 自分の時間と空間に、無粋に入り込んでくるから、マジで電話が嫌いなんよ。

 今は、メールとSNSの時代になって、本当に良かったと思っている。


 電話が来て変わったといえば、家に電話帳がくるようになった。

 東京に住んでたときにも、クソ厚いタウンページが、毎年送られてきたり。

 あんなのいらねーから、すぐに捨ててたよ。


 個人情報云々で今では考えられないが、電話帳には、すべての家が載っていたな~。

 最初は住所まで載っていたはず。


 個人情報に大雑把なのも昭和の特徴――雑誌の柱には、「◯◯先生にお便りを出そう!」とかいって、漫画家の住所が載っていたり。

 雑誌の文通コーナーや、売買コーナーにも、モロ個人情報が載っていた。

 住所氏名、電話番号、全部だよ。


 今じゃ考えられんよな~。


 そのうち、そういう情報が犯罪や空き巣に使われることが多くなって、個人情報の大切さが広まるようになった。


 とっぴんぱらりのぷぅ


 

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― 新着の感想 ―
公衆電話がダイヤルじゃなかったです ハンドルを回して交換呼び出しでした 市内はダイヤル直通なっても 市外は交換呼び出しが必要だったり 地元のバス会社に勤めていた叔父が川鉄就職するとかいうので 東京ま…
電話帳には 職業別電話帳と五十音別電話帳があって 五十音別電話帳には、個人名と住所まで 掲載されてた記憶があります。
先日、実家の片付けをしていたら、学年名簿というものがでてきました。 名前、住所、親の名前はもちろんのこと 親の職業まで記載されていましたw 今ではもう無いような職業もあって、つい読みふけっちゃいまいた…
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