どらごん戦争(1)どらごんの国
「ここに、ドラゴンの国を再興するのじゃ」
そういう事にする。いきなり思い付いた。
ワワンサキではテロ、ズンダでは革命と内戦、ターマでも独立戦争の気配。
どこに居ても危険なのじゃ、うんざりなのじゃ。
どうせ、もう学園も無くなったし、ここに国を作って引き籠りたい。
みんなの帰ってくるホームは、ここに移転しよう。
ターマのけちけち商人カステーラ家は、帰りにここを通るだろうし、ズンダの暴力あんぽんたんは、既にここに居る。
セリカ先輩とミーは、もともとここが帰ってくる場所のはず。
神社の祠には、フィギュア以外にも絵が隠してあった。
キナコとコルサは以前ここに来た時には、気付かなかったんだね。亡命の最中だし、周りは熊や虎がうろついて居たからね。ズンダ神獣のツノとかいうものを探していたしね。
なので、フィギュアがセリカ先輩そっくりなのも気付かなったし、ミーそっくりのメイドの絵があるのにも気付かなかった。
ミーとセリカ先輩は。1000年前ここで巫女をしていた、という事じゃなかろうかと。どっちがシスターと呼ばれた巫女なんかは分からんが。
だったら、あいつらはドラゴンとは初対面ではなかったはず。
1000年前にここに居た猫みたいなドラゴンは、また別なのかね?
ミーは、生命の実を食べる前から、1000年以上の寿命を持っていた?
まあ、いいや。
ともかく、ここに国を作る。
ズンダ、ターマ、ワワンサキのどこの領土でもない、緩衝地帯。実効支配してしまえば、わしのもんじゃろ。
「あの、私就職して、まだ3日なんですけど…」
キナコが退職するのを嫌がっているが、辞表も出させないといけなし、準備もあるので、ワワンサキのマンションに帰るよ。お風呂にも入りたいし。。
ドラゴン山に国を作るなら、お風呂は必須だな。掘ったら温泉湧かないかな。
3人でお風呂会議をした結果。
まずは、オエド銀行を、ぶっ潰すことにした。
ハナちゃんには、コルサ達の正体がばれているので捨て置けない。彼女の力を削るために、所属する組織を潰す。ハナちゃんは利用価値もあるし、もう友達なので生かしておく。
大口株主であるわしもダメージはあるけど、元ズンダ王女のコルサは、今はわしの従者。 従者の敵を排除する方を優先する。当然だ。
切り札になりそうなものは、というと。
・オエド銀行の残高 100億円くらい
・オエド銀行の株 総発行済み株式の5パーセント、市場価値120億円
・オエド銀行の口座が振出人となっている小切手が1枚、 額面100億円
ハナちゃんは、小切手を他所の銀行に持ち込むだけで、その銀行とオエド銀行が潰れると言っていた。その話には、ちょっと疑問があるけど。320億円もあれば、なんかできるじゃろ。
ついでに、学園の理事長だとか、ワワンサキ王とか、エタナル神社も巻き込んで、ひとまとめに潰しておきたい。
さあ、戦争の開始だ。女神と元王女と元近衛騎士とドラゴンを侮るなよ。




