46. 第一競技 玉入れ……what!?
開会式が終わり、各チーム準備運動の指示が出されて、解放された
現在、SVT基地にて軽く体を動かしつつ待機をしている
教卓の上にはグラウンドの地図がのせられ、静道先輩と裁凪先輩が戦術を練っている
冴崎と隠牙さんはパソコンで学校の監視カメラをチェックしていて、忙しそうだ
そんな中、スピーカーから声が響く
『えー、第一競技の玉入れを開始します。各チーム選抜者は300秒以内に校庭の中央部に集ってください』
第一競技か……
「よし、メンバーを選抜する!総員聞け!」
通常の高校は玉入れ自体行なう高校が少ないだろう
だが、この高校では最初の盛り上がりのイベントとして例年行なわれている
そして、ルールも凄く特殊なものになっている
「みんな知っている通り、この玉入れは異常なルールが仕組まれている」
静道先輩が教卓に手をつき、説明を開始する
「この学校の玉入れは『5m+投手の人数×50㎝』の距離から投げると言うルールがある」
高さ2mほどの棒の上のカゴに玉を入れるのに1mくらいの近さからポンポン入れられたりレイアップシュートなどされていたら戦いにならない
だから最低限の距離、5mが指定される
そしてもう一つ。この体育祭のチームの人数は平等ではないと言う事
当然、人数が多ければ弾幕を張れて有利だ
それでは少数人数チームが不利になる
かと言って少数人数チームを優遇するなら、大人数のチームは出来ない
だからこそ、『投手の人数×50㎝』のラインが指定される
それぞれ何人選抜してもいい
大人数で遠距離から弾幕を張っても、精鋭で固めて近距離からいれても構わないのだ
それは各チームのリーダーに判断が託される
「俺たちは、少数精鋭で攻めようと思っている。投手メンバーは葉城。鎌月。星霧。明里。以上だ」
「「了解!!」」
ん?少数精鋭の割には女子で固めているのか……?
「疑問はあるな?この配属は、後の競技で男手が必要だから体力の温存を狙うのと、投手以外で参戦する為の配属だ」
「どう言う事ですか……?」
俺は質問をぶつける
「赤木、お前には働いてもらうと言う事だ」
全く意味が分からない……。
だが、恐らくとんでもない攻撃を仕掛けるのだろう
「出陣だ!!」
校庭に出ると既にほとんどの団体が揃って座って待機している
「SV……間違えました。『ギミック』到着しました」
「はい!えーと人数は……7人ですか?」
「投手は4人。残り3人は応援です」
「ん?応援?わかりました。応援者は玉を投げれませんよ?投げたら失格になるので、注意してください」
実行委員がバインダーに人数をメモして去って行く
「先輩。俺はなんでいるんですか?」
「今言った通り、応援だ」
「俺の後ろにいる銀嶺先輩もですか?」
「そうだ」
何故か俺の後ろには銀嶺先輩までいて、女子4人編成に男子3人の応援らしい
『今は他のチームにバレちゃ厄介なんだ』
静道先輩が無言でアイコンタクトを送ってきて、俺は半分納得する
型破りするのか
恐らく、ルールの穴を狙って奇抜な攻撃をする
「お待たせしました!第一戦を開始します。ゴールデンビッグバン、THEACHERS、女子テニス部の皆さんはスタンバイしてください!」
実行委員が叫ぶと、幾つかの集団が立ち上がり、フィールドに進軍して行った
それぞれ調整されているのか円が書かれていて、その中央にカゴのついたポールがある
各チームそれらを囲み、試合の準備が整う
「いくよみんな!」
「「ヤーッ!!」」
女子テニス部はユニフォームを着てラケットを持っている
奴らの団結力は見るからに凄まじいな……。
「っしゃあテメェら行くぜええええええええ!!」
「きぃぃぃいいいいぇえええええええええええええ!!」
「ヒャッハァアアアアアア!!」
「ぶっ殺せェエエエエエエエエ!!」
「殺っちまおうぜエエエエエエエエエ!!」
……。
ゴールデンビッグバンか
うるさいなコイツら……
なんか負けフラグ半端じゃないな
「さあ!皆さん、参りましょう!」
「「はいっ!!」」
国語教師がよく通る声で音読するかのようなテンションで言い、教師団は応答する
見た感じ、チーム編成は国語教師オールスター
デフォが浪曲ヴォイスの教師、不気味なまで感情を込めて羅生門を音読する事に定評のある教師、作るプリントが全て古典文法で有名な古典教師
あれもまた究極のチームだな
「それでは……競技開始!」
パンッ!
実行委員が叫んでスターターピストルを鳴らす
「いっけええええええええええええええ!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
DQN集団ゴールデンビッグバンが一斉に投げ出す
「「いってええええええええええええええ!!!??」」
飛距離オーバー。フレンドリーファイアしている
「てめえやりやがったな!?」
「俺じゃねえ!」
「てめえら黙って働け!」
「アア!?るっせえんだよ!」
何故か始まる内乱
ちなみに一球も入ってないみたいだ
「さーっ!」
「そーれっ!」
「えい!」
『おーっと、テニス部はラケットを使って打っているみたいですね!』
実況参戦
確かにラケットで撃ち込んでいるらしい
『TEACHERSは物を投げる事に慣れていない様であまり――おお!?白弾の狙撃手こと伊藤先生は見事なコントロールで確実にカゴの中にボールを入れている!?』
……。
この戦い反応しにくいな
「やべっ。センコウもテニ部も得点加勢でいやがる!」
今更ゴールデンビッグバンの代表の……そうだ、田中さんが戦況に気付く
「妨害しろ!玉を投げまくれ!」
『ゴールデンビッグバンが他チームに妨害を始めました!これは緊急事態です!』
やっているのが実行委員だからか誰も止めようとはしない
だが、TEACHERSの一人の尖兵が立ち向かう――
「いいのかね田中君。今すぐ攻撃をやめなければ君の成績を……斜線にする事が出来るのだぞ!」
「全員打ち方やめ!標的変更、テニス部に投げまくれえええええええ!!」
「何ですって!?」
DQNが女子テニス部たちに向かって球を投げ始めた
フェアプレーもくそも無い光景だ
だが、女子も黙ってはいない
「みんなはボールを打ち続けて!裕子、いくよ!」
「「はい!!」」
「うん!美優!」
女子テニス部の二人がゴールデンビッグバンの方に向き、ラケットを構える
あの二人は、女子テニス部の部長と副部長のペアだ
確か、県大会優勝して関東大会まで行ってた……!
「ていっ!」
「やーっ!」
二人は凄まじい勢いでボールに飛び込み、打ち返して行く
「痛ええ!?」
「やりやがった!?」
自分たちが投げた球がそのまま帰って来る事にDQN達は驚き、それでも攻撃をやめない
「……!裕子、ポールを狙おう!」
「わかった!」
二人は狙いをDQNからポールにかえた
DQNが投げて来る球をショットで打ち返す
ポールにヒットし、ポールは揺れる
連続して当てられて、ポールは傾き、最後のとどめが飛ぶ
「はああっっ!!」
「ええい!!」
後衛の部長は県でもトップレベルだと言われる着地直後の球を打ち返すライジングショットを打ち込み、前衛の副部長はラケットを斜めに構えて上に打ち上げた球をスマッシュ
ガタンッ
見事な連携でポールを倒し、ゴールデンビッグバンは戦闘不能に
「時間切れ!」
実行委員が制止をかけて第一戦は終わる
だが、戦いはまだ始まったばかりである
お久しぶりです
忙しかった永久院でございます
体育祭進めました
あー更新ペースが遅い




