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強襲ボランティア  作者: 永久院 悠軌
新学年編
33/55

33. はじまり

校門には『入学式』と書かれた看板が立てかけられ、生徒会役員が記念撮影のカメラを代行したり、新入生を下駄箱に張ってあるクラスに行くように指示を出している

その生徒会役員の中に見知った顔を見つけて近づき、俺たちは挨拶をした

「おはようございます。雨羽先輩」

「おはよーございまーす!センパイっ!」

「会長は今日も忙しそうねー」

「おはようございます。みなさん」

長いストレートの黒髪を持つ美しい美少女は俺の一つ上の先輩、御奈沢(みなざわ)雨羽あまは先輩だ

眉目秀麗、才色兼備。美しい容姿と優れたカリスマ性、人を惹き付け、統率する力があるこの先輩は生徒会長だったりする

「今朝はお疲れさまでした。この仕事が終わったら学習準備室へ向かいます。新しいクラスは下駄箱の柱に張ってある紙を見てください」

「忙しそうですねー」

「最近は無線に頼っていたので、連携が難しいです」

連携か……

「All For Allですよ。全員が全員の為に動くように意識すれば、うまくいきます。先輩なら統率をとることに馴れているでしょう」

そう言い、下駄箱へ向かう

これ以上会話をするとSVTの話が出る可能性が高い。民間人の前でSVTについて話をするのはあまり良くない

「では、また後で」

雨羽先輩も新しく人影が近づいて来たので別れを告げ、そちらに向く

だいぶポーカーフェイスも板についてきているのかも知れない


俺はガヤガヤする校門を抜け昇降口に着く

既に葉城はしろ星霧ほしきり先輩は学習準備室(SVT本部)に向かっているらしく、張り紙の前には居なかった

俺はこれから1年間過ごすクラスを探す

赤木あかぎだから上の方にあるはず……っと」

見つけた、俺のクラスは『2−1』だ

1年の時も1組だったから、2年連続1組だ

クラスメイトには……冴崎さえざき裏寡うらか五十嵐いがらしがいるみたいだ

「さってと……」

鞄の中から上履きを取り出して履き、下駄箱に土足を入れる

2年生は3階に一般学習室(ホームルーム)があるから本来は3階まで登れば良いのだが、俺は4階まで登る

色が濃い新しい制服を着た緊張した面持ちの新入生たちを横目で見つつ、周りの人間の全ての人の視線がそれた瞬間に学習準備室に入る

「おはようございまーす」

俺は荷物が多いその部屋の奥に進み、挨拶をした

荷物の壁を越えて向こう側には広いスペースがあり、長机とその前の椅子に座る人々が居る

SVTのメンバーだ

数人は既に任務に出かけているため全員参加とはなっていないが、数人はいる

「よう、赤木」

声をかけて来たのはSVTの総隊長の静道せいどうあきら先輩

総隊長である故か朝の間は勤務につかずにSVT本部であるこの部屋に来た隊員に指示を出すべく待機している

「現状は?」

今のところのSVTの動きを聞く

「葉城と鎌月かまつき冴崎さえざきが体育館の音響準備をしている。裏寡うらか荒威あらい裁凪さいなぎ五十嵐いがらしが校庭に車を誘導している。銀嶺ぎんりょうは入学式の受付に居て、星霧もこれから合流する。水爪みつま鷹宮たかみやは会場照明でスタンバイ中。わかると思うが、御奈沢みなざわは生徒会の方で働いている」

見事な分担。それぞれの得意な所について仕事をしているみたいだ

「俺が働かなくても良いような状態ですね……」

メンバー配置が完璧過ぎる

「入学式中は俺は一般生徒に混じって新入生後方から観察しましょう」

「普通生徒と動くんだな。了解」

問題はこれからホームルームまでだな

「各場所人員は足りているみたいだし……赤木には特別任務に当たってもらうか」

「え?なんか仕事あるんですか?」

このタイミングでやるべき事が残っているならやっておいた方が良いだろう

だが……やり残しなんかあったか……?

特別潜入任務(トップステルス)だ。隠密レベルは最高にしてくれ」

トップステルスはSVT内で使われる言葉で、人に見つからないように人員を極限まで削減した1人で臨む、絶対に人に見られてはいけない任務を表す

単独潜入ソロステルスなら水爪とか鷹宮先輩の方が向きますし、俺が照明と交代して彼らに頼んだ方が良いのでは?」

「いや、今回はオペレーションも無いから迅速な活動が求められる。それには運動神経も必要だから、お前が適任だ」

確かに……荒威先輩だと運動神経は良いけど隠密には向いてないし、星霧先輩は事前に先生に報告しておいた受付に置いておく人員だし、静道先輩は本部に居る必要がある。及第点で俺か……

「それで……任務の内用はなんですか?」

「本当は今日はやるつもり無かったんだが、お前には事務室から新入生の資料をとって来てほしい」

うわ……それか

所謂、個人情報の奪取だ

当然だが違法だ

もしも世間にバレれば俺たちが掴まるだけでなく、生徒に個人情報を流失させられてしまう学校の情報管理体制が指摘されて多くの人が迷惑を被る事になる

だからこそ最大レベルの隠密任務、『特別潜入任務(トップステルス)』の発令か

「先ほど鎌月が持って来た高性能スキャナを預かっている。それをつかって新入生のデータベースと受験時の内申書をスキャンして来てほしい」

高性能スキャナの使い方はわかっているから問題は無い

だが……一つ聞きたい事がある

「なんだってこんな朝から人が居そうな事務室に侵入して資料を奪うんですか?」

別に、放課後や休日に侵入する事もできるはずなのだが……

「今朝中にやる『必要』は無いのだが、『メリット』はあるんだ。放課後は事務室に人が居る事は多いし、休日は民間のセキュリティ会社が張っているセンサーが働いていて事務室への侵入は困難だ。そう言った意味では行ける間に行っておいた方が良いし、今のうちに情報を手に入れておけば鷹宮とかにデータを送って入学式の時に気になった人との照合も可能になるだろ?」

危険ではあるが確かにメリットが多い……

「そうそう、入学式前で新しく担任を持つ教員たちは既に教室にいるし、他の教員たちも交通整理や受付、入学式についての会議をやっていて事務室が空になるタイミングもあると思う。そこでデータを奪ってくれ」


今度の俺の仕事は泥棒か……

社会奉仕の心が苛まされるが考えてみれば仕方が無い

これは社会奉仕するSVT隊員を増やす為に必要な事

俺たちの利益は一切無い

自分たちの利益ではなく、全ては社会の為になる……



行くぞ



ご無沙汰しております、永久院悠軌です

諸事情により更新が遅れたりしました


さて……新学期になりました

永久院も赤木たちと同じ高校2年生になり、新しい事に挑戦して行きたいと思っています


例えばそう、リア充とか




SVTはまだまだ終わりません

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