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Re:アルケオン〜守護者として生まれた私は世界を旅する〜  作者: れんP
アジアの章 日本編

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第二十七話 活気の街と空を駆ける少女たち


 大阪府大阪市。


 朝から始まった彩葉の観光は、気が付けば昼を過ぎ、夕方に差しかかろうとしていた。


 それでも彩葉の足取りは軽かった。


 大阪という街は歩けば歩くほど新しい発見がある。


 巨大な駅周辺を離れれば昔ながらの商店街があり、商店街を抜ければ高層ビルが並ぶ近代的な街並みがある。


 さらに少し進めば大きな公園があり、その先には川沿いの遊歩道まで続いている。


「大阪って不思議ですねぇ」


 彩葉(いろは)は橋の上から街並みを眺めながら呟いた。


 伊勢とは全然違う。


 京都とも違う。


 東京ともまた違う。


 それぞれの街に個性がある。


 それを知るたびに旅が楽しくなっていた。


 橋を渡り終えると、彩葉は川沿いを歩き始めた。


 ジョギングをしている人。


 犬を散歩させている人。


 ベンチで話をしている学生たち。


 平和な光景だった。


「みんな楽しそうです」


 彩葉は自然と微笑む。


 守護者として生まれたばかりの頃は、人間という存在をほとんど知らなかった。


 だが旅を続ける中で少しずつ分かってきた。


 人間は弱い。


 でも強い。


 悲しむ。


 怒る。


 笑う。


 泣く。


 そうやって生きている。


 だからこそ想霊も生まれる。


 だからこそ世界は複雑なのだ。


 しばらく歩くと広場へ出た。


 そこで大道芸人が芸を披露していた。


 多くの人々が集まっている。


「おぉ~」


 彩葉も人混みの後ろから覗き込む。


 大道芸人が空中へ棒を投げる。


 一本。


 二本。


 三本。


 四本。


 五本。


 どんどん増えていく。


「すごいです!」


 彩葉は目を輝かせた。


 魔法ではない。


 妖力でもない。


 神力でもない。


 純粋な技術。


 それだけで人を驚かせている。


 芸が終わると拍手が起こった。


 彩葉も一緒になって拍手する。


 大道芸人は嬉しそうに頭を下げた。


 その様子を見て彩葉もなんだか嬉しくなった。


 さらに歩く。


 今度は大きな公園へたどり着いた。


 噴水がある。


 木々が並ぶ。


 芝生では子供たちが遊んでいる。


 その中には妖怪らしき気配も混ざっていた。


 だが誰も気にしていない。


 この世界では珍しいことではないからだ。


 人間。


 妖怪。


 亜人。


 守護者。


 神話生物。


 様々な存在が共存している。


 もちろん問題がないわけではない。


 それでも平和に暮らしている者たちも多い。


 彩葉は芝生へ座った。


 青空を見上げる。


「いい天気です」


 風が吹く。


 草の匂いがする。


 遠くで鳥が鳴いていた。


 平和だった。


 戦いのない一日。


 想霊もいない。


 陰陽師もいない。


 ただ旅をしているだけ。


 それが少し新鮮だった。


 しばらく休憩したあと、彩葉は再び歩き始めた。


 今度は繁華街へ向かう。


 人通りはさらに増える。


 大きな看板。


 ゲームセンター。


 雑貨店。


 書店。


 飲食店。


 様々な店が並んでいる。


「すごいですねぇ」


 彩葉はきょろきょろしながら歩く。


 その時。


 上空から何かが通り過ぎた。


 シュッ。


 風を切る音。


「?」


 彩葉は足を止める。


 気のせいだろうか。


 そう思った次の瞬間だった。


 ビルの上から少女が飛び降りた。


「えっ」


 彩葉は思わず目を見開く。


 だが少女は落下しない。


 ふわりと着地したかと思うと、そのまま再び跳躍した。


 十メートル。


 二十メートル。


 普通の人間なら到底不可能な高さ。


 さらに別の少女もいる。


 その隣にも。


 さらに向こうにも。


 数人の少女たちがビルからビルへ飛び移るように移動していた。


「わぁっ!?」


 彩葉は驚いて見上げる。


 人間たちも少し見上げているが、それほど大騒ぎにはなっていない。


 珍しくないのだろう。


 少女たちは軽やかに空を駆けていく。


 まるで鳥のようだった。


「すごいです!」


 彩葉は目を輝かせた。


 そして思わず声を上げる。


「なにあれ~!」


 その時だった。


 後ろから声が聞こえた。


「見るのは初めて?あれは『魔法少女』だよ、グループとしては亜人だね」


 彩葉は振り返る。


「え?」


 そこに立っていたのは一人の少女だった。


 小柄な体格。


 緑色のヘルメット。


 その表面には小さな穴の空いた突起がいくつもついている。


 迷彩服。


 軍用ブーツ。


 背中には大きな荷物。


 まるで兵士のような格好だった。


 しかし感じる気配は人間ではない。


 守護者。


 彩葉はすぐに理解した。


「あなたは......」


 少女はにっと笑った。


「浄化の守護者『久里子(くりこ)』」


 彩葉は思わず目を輝かせる。


 また新しい守護者との出会いだった。


 大阪の夕暮れの中。


 新たな旅の出会いが始まろうとしていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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