表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/20

          9 宇宙

 マリエールは分身体に宇宙船の建造を依頼した。早々に宇宙船は仕上がった。目的地は銀河系の統括者のいる星だ。

            9  宇宙


 マリエールは宇宙船を建造した。知識はマリエールの頭にある。つまり分身体達にもあるという事だ。分身体達は宇宙船を造った。1日一光年飛ぶという優れ物? だ。神擬きの記憶で8光年飛んだところにある赤色矮星にいるこの銀河系の統括者に会うためだ。神擬きの記憶もいい加減だ。何百万光年もある銀河系の統括者が都合良くこの星からたった8光年離れた星にいるなんて信じられない。

とは言えそう考える何があるからそういう記憶になったのだろう。別に外に大きな目的が有って宇宙を旅しようと思ったわけでもない。神擬きの知り合いのところを巡ってみようと思っただけだ。銀河系の統括者が名ばかりだったとしても構わない。この星以外の生物? と会えれば問題ない。神擬きの知り合いだから強敵かも知れないが、その時は逃げるなりすればいい。

 分身体から連絡があった。

「マリエール様、宇宙船の出現準備が整いました。何時でも出航可能です。ご指示お願いします。」

流石我が分身体は優秀。もう宇宙船の出航準備が整ったのか。

 搭乗手続きも何もないもない。ただ乗って出航しただけだ。目的地も何も、分身体達が了解している。分身体なのだから考えている事は全て伝わる。会話や念話するのは退屈凌ぎか確認だ。分身体が多いなると一々の事が覚え切れない。分身体がマリエールに念を押す事は多くなる。

 出航して少し後悔した。温度調節も空気も食事もないのだ。分身体が乗る事を想定して全て省いたのだ。分身体は生物でないので体感や呼吸や食欲がない。しかしマリエールは一応人間だ。幾ら人間を超越しているとは言え体感や呼吸、食欲らしき物がある。心地よいそよ風に当たれば気持ちいいし美味しい空気を吸えば爽やかな気分になるしデリシャスな食事を食べれば満足感がある。絶対零度の真空で食事がない事を忘れていた。しかもこの宇宙船は気密性がない。宇宙を馬車で飛んでいるようなものだ。真空だから空気抵抗がないが宇宙船がこんなスースーでいい物かと疑問に思った。既に神擬きのマリエールにはさほど重要ではないが何となく違和感がある。そんなマリエールの違和感を察した分身体が、

「その内慣れますよ。」

という。勿論空気はないから音は伝わらない。念話だ。納得するしかない。ない物はない。今更星に引き返せというほど子どもではない。8日で目的地に着くのだ。其処での行動を計画したり、宇宙観測したりする方が現実的だろう。もっとも光速の400倍の速度で航行している宇宙船から見る景色は普通の天文観測とは違う。小難しい事を言えば。光速より速くは飛べないので時間操作をしている。所謂タイムトリップである。恒星間移動には必須である。

 8日間の旅は無事? 終わった。銀河系の統括者がいるという星に着いた。前世の記憶でいうと火星が近いだろうか。生物の息吹はない。神擬きの記憶によれば念話で呼び掛ければ招いてくれるらしい。マリエールはとにかく念話で呼び掛けた。

 宇宙船の航行が始まって後悔した。この宇宙船には温度調節がなく空気も食事もなく気密性もない。人間であるあるいは人間であったマリエールには耐え難い環境だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ