18 デニッシュ
マリエールはデニッシュを棲家に返す。デニッシュは念話か出来る。デニッシュを故郷に戻した時、マリエールはデニッシュから祝福を受けた。
18 デニッシュ
マリエールはデニッシュを生まれ故郷に返す事になった。デニッシュの故郷は暗黒星雲の中、遠目には暗闇に見えるまるで黒雲に覆われているような空間だ。実際には恒星がない為に黒雲に覆われているように見えるだけなのだが。デニッシュはそんな中に住む形のある精神生命体だ。デニッシュの外観は猫のぬいぐるみのような30cmほどの生き物だがほとんど動かない。念話出来る者は念話で意思疎通が出来るが出来ない者に取っては置き物のようだ。デニッシュ星固有の生き物で希少種だ。個体数が少ないのと密猟する者がいる。交流会は密猟者には処刑で当たっている。マリエールが抱えているデニッシュも念話が出来る。マリエールは念話で、
「デニッシュさん(固有名がない)怖かったでしょう。」
「そうでもないさ。デニッシュ星ではデニッシュが拐われると新しいデニッシュが生まれる。個体数は変わらいのさ。」
「でも拐われたデニッシュさんは故郷が恋しいでしよ。」
「こうやって助けてくれる者がいなければな。大抵の人間は念話が出来ない。寂しい思いをしながら置物のような生活をする。デニッシュの存在の意味って知ってるかい。宇宙の記録さ。宇宙の様々な声を聞く。だから場所が変わってもやる事は同じさ。念話する相手がいなければ寂しいけどね。今はきみがいるから寂しくない。それに故郷に返してくれるのだろう。本当にありがとう。」
デニッシュが救えて良かったと思う。やはり故郷が一番だ。
無事デニッシュ星についた。真っ暗な星だ。普通の人間なら右も左も判らないだろう。幸いマリエールの感覚器官は鋭い。デニッシュ星でも活動できる。
デニッシュの棲家についた。デニッシュが一杯いる。念話でお喋りしている。姦しい。デニッシュを其処に入れて立ち去ろうとした。デニッシュは、
「色々世話になった。ありがとう。」
「いいえ、こちらこそ、いい体験になったわ。」
「お礼に我々の記憶をお前にやろう。贖わず受け取れ。」
デニッシュ達は揃ってマリエールに記憶を授けた。能力の事も魔法の記憶もある。何が役に立つか判らない。マリエールは、
「ありがとう。何よりだわ。」
それが別れになった。
統括者のところに行き色々文句を言った。マリエールは、
「こんな仕事嫌になりました。故郷に帰ります。」
伯爵領に帰った。アンドロイドは気安くマリエールを迎える。マリエールが起こした事業や産業は順調に発展しているようだ。問題は伯爵家の人々だ。この星基準ではどれ程の期間経っているのだろう。大雑把に5年経っていると思って12歳の容姿になってみた。村のエスパーに能力を与えられてから年は取らなくなった。伯爵家に向かってみるとみんな年を取っていた。10年、いや20年経っているのだろうか。みんな年を取っている。伯爵は、
「マリエールかマリエールなのか。面影は確かに残っている。元気にしているようだな。」
みんな戸惑っていたようだがマリエールと判って打ち解けてきた。まだここにマリエールの居場所はあるようだ。
統括者のところに戻って統括者に色々文句を言った。故郷に戻りますと言って伯爵家に戻った。伯爵家にまだマリエールの居場所はあるらしい。




