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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第一話 ソフトボール部の壁、強豪校からの刺客
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3 伊予美ちゃんは誤解している

という訳で俺は昼飯を食い終えた後、

小暮が所属する一年一組の教室の前にやってきた。

このクラスには俺が片思いをしている伊代美も居るんやけど、

今回の目的は伊代美に会う事ではなく、小暮のスカウト。

とはいうものの、矢沙暮高との練習試合からこっち、

ロクに伊代美とも会えてないんやよなぁ・・・・・・。

家は近所なんやけど、

俺は野球部の朝練があるから伊代美より早く学校を出なあかんし、

学校でもなかなか会う機会がない。

何かこのままやと、どんどん伊代美との距離が遠のいていくよな気がする。

ああ・・・・・・。

 と、一人で落ち込んでいた、その時やった。

 「わっ!」

 という声とともに、俺はいきなりドン!と背後から背中を押された。

 「うわっ⁉」

 驚きの声を上げてよろめく俺。

そして後ろに振り向くと、やや茶色みのある髪をおさげにした、

おっとりした目もとが愛らしい女子生徒が立っていた。

それを見た俺は咄嗟(とっさ)にその子の名を呼んだ。

 「い、伊代美ちゃん!」

 そう、彼女は俺の幼なじみにして片思いの相手の、小白井(こしらい)伊代(いよ)()やった。

 「あはは~、ごめんね?びっくりした?」

 驚いた俺の顔を見て、伊代美はおかしそうに笑いながら言った。

それに対して俺は、

 「う、うん、ちょっと・・・・・・」

 と言ってぎこちなく頷く。

う~む、伊代美と久し振りに会えたのは嬉しいけど、

彼女を前にするとやっぱり緊張してしまう。

そんな俺に伊代美は、いつもののんびりした口調で続けた。

 「そういえばこの前は試合に呼んでくれてありがとう。

昌也君カッコよかった」

 「え⁉ほ、ホンマに⁉」

 「うん。久し振りに昌也君が野球やってるのを見たけど、

昌也君はやっぱり野球をやってる時が一番カッコいいと思う」

 「い、伊代美ちゃん・・・・・・」

 伊代美の嬉しい言葉に、俺の頬は自然とほころんだ。

この前の試合で俺はあんまり活躍できんかったけど、

伊代美ちゃんはちゃんと俺の事を見ててくれたんやなぁ・・・・・・。

昌也感激!

と、心の中でウカレポンチになっていると、伊代美はニコッと微笑んでこう続けた。

 「それに小暮さんにもカッコいい所を見せれたし、良かったね♡」

 「え?」

 その言葉に目を丸くする俺。

実は伊代美は、俺が想いを寄せているのは小暮やと思い込んでいるのやった。

しかしそれは大きな誤解なので、俺は慌てて訂正した。

 「な、何を言うてるんや!

この前も言うたけど、俺と小暮はそういう関係とちゃうんやって!」

 しかし伊代美はいたずらっぽい笑みを浮かべてこう言う。

 「照れんでもええよぉ。

小暮さんもこの前の試合で、昌也君はええキャッチャーやって誉めてたし」

 「え?ほ、ホンマに?」

 あいつはこの前の試合で、俺をボロカスにけなしてくれたんやけど。

(しかもビンタまでされた)

 「良かったね♡」

 「いや、あの、だからね?」

 「今日も小暮さんに会いに来たんやよね?」

 「えと、その、違う事は、ないんやけど・・・・・・」

 「ちょっと待っててな?すぐに呼んで来るから」

 伊代美はそう言うと、そそくさと教室に入っていった。



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