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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!張高ソフトボール部!の、その後
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3 鹿島さんは来てくれたが・・・・・・

 「鹿島さん!」

 俺の祈りが天に届いたんや!

俺は急いで鹿島さんの元に駆け寄り、こう続けた。

 「とうとう突き止めたんですね!校長の悪事を!」

 すると鹿島さんは、バツの悪そうな笑みを浮かべ、こう言った。

 「いやあ、それが・・・・・・」

 「何です?」

 「えーと、それがぁ・・・・・・」

 俺の問いかけに、鹿島さんは扉が開いたままの入口を見やった。

俺もそれにつられて入口の方に視線を移す。

すると、何とそこに、


 校長が、居た。


 「なぁっ⁉こ、校長先生⁉」

 思わず声を上げる俺。

それに対して校長は、

 「いかにも、私は校長先生だ」

 と言いながら、部屋に入って来た。

 「ど、どうしてここに?」

 顔をひきつらせながら尋ねると、

校長はニヤリと悪どい笑みを浮かべ、こう答えた。

 「最近この私に、良からぬ疑いを持っている生徒が居ると彼女に聞いてね。

その真相を確かめる為に、ここに来たのだよ」

 「な、何やって⁉」

 校長の言葉を聞いた俺は、咄嗟に鹿島さんの方を見た。

すると鹿島さんは両手を合わせながら申し訳なさそうな表情で、

『ゴメン』と口を動かした。

 どうやら鹿島さんは、校長の動きを嗅ぎまわっていた事がバレてしもうたようや。

そしてそれを依頼したのが俺やというのを、白状させられたんやな。

 そんな中校長は、ニヤついた顔で俺を見据えて言った。

 「君だね?この私が、何か良からぬ悪事を働いていると疑っているのは」

 う~む、こうなってもうたらしゃあない。

 俺は開き直り、キッパリと答えた。

 「そうです。俺はあなたを疑っています!」

 すると校長は、余裕の笑みを保ったまま続けた。

 「それは実に心外な事だが、一応話を聞こうじゃないか。

君は私の何を疑っているんだね?」

 「あんたはこの学校の野球部を潰して、

碇を大京山に転校させる為に、昨日の試合を仕組んだんやろ!」

 「それは違うぞ君。

私は君らのように、惰性(だせい)で部活を続けている部を排除し、

その部費を他の優秀な部に回す為に、昨日の試合を企画したんだ。

そもそも松山君を大京山に転校させて、私に何のメリットがあると言うのかね?」

 「あんたは大京山の監督から、碇を大京山に転校させる代わりに、

何らかの見返りを受け取ったんとちゃうんか⁉」

 「えっ⁉そ、そうなの⁉」

 俺の言葉に驚きの声を上げる碇。

それに対して校長は、さも愉快そうに高笑いを始めた。

 「はーっはっはっは!何を言い出すかと思えば!

私が大京山の監督さんから見返りを受け取った?

ふぁーっふぁっふぁっふぁ!何を根拠にそんな事を言うのかね?んん?」

 「う、証拠は、ないですけど・・・・・・」

 たじろぎながら俺は答える。

すると校長は、更に高笑いをしながら続けた。

 「だーっはっはっは!証拠もなしにそんな事を言っているのかね君は!

はっはっは!これは傑作だ!片腹痛いとはまさにこの事だ!」

 「ぐぬぬ・・・・・・」

 校長の言葉に何も言い返せない俺。

すると校長は一転して真顔になり、俺にこう言った。

 「だが、これだけの言いがかりをつけられて、

このまま黙っている訳にもいかん。君にはそれなりの処分を受けてもらうよ?」

 「処分って、何ですか?」

 俺が尋ねると、校長は再びニヤッと笑ってこう答えた。

 「一カ月の、停学処分だ」

 「なぁっ⁉それはあまりにもひどいんとちゃいますの⁉」

 思わず声を荒げる俺。すると校長も声を荒げた。

 「何を言うかっ!生徒である君が校長の私にあらぬ疑いをかけるなど、

到底許される行為ではない!これは立派な名誉棄(めいよき)(そん)だ!

本来ならば然るべき場所に話を持って行ってもいいんだ!

一カ月の停学でもぬるいくらいだ!」

 「ぬぐぐぐ・・・・・・」

 唇を噛みしめる俺。

あかんやんけ、ヤバイやんけ。

このままやと校長の悪事を暴くどころか、

一カ月の停学処分になってしまう!

それはいくら何でもまずすぎる!

 すると校長は、一転して(おだ)やかな口調になり、こう言った。

 「しかし私の仕事は、君達生徒を正しい道へと教え導く事。

こんなに重い処分を下すのは、私の本意じゃあない。

そこでだ、君が今言った事を全て撤回し、

今後そのような疑いを一切持たないと言うのなら、

停学処分は無しにしよう。どうだね?」

 「なっ⁉」

 校長の思わぬ申し出に、俺は言葉を詰まらせた。

この申し出は、一見すると俺に情けをかけてくれているように思えるけど、

裏を返せば、今回の一件を闇に(ほうむ)る為の脅迫でもある。

 ここで俺が校長の申し出に従えば、一カ月の停学は免れられる。

でも、もう野球部を廃部から救うチャンスがなくなるかもしれん。

かというてここで下手に逆らえば、俺は即停学処分。

 一体どうすればええんや・・・・・・。

 頭を抱える俺。

するとそんな俺に、碇がおずおずと言った。

 「昌也君、もうよそうよ。このままじゃあ、ホントに停学になっちゃうよ?」

 そして佐渡さんもこう続ける。

 「そうそう、こんな所で意地張ってもしゃあないって。

大人しく廃部を認めて、ウチらに部費をよこしなさいや」

 やっぱり、それしかないんやろうか?

しかしこの校長の悪どい笑みから察するに、

このおっさんが何らかの悪事を働いとんのは間違いないんや。

その証拠さえあれば。

証拠、証拠、証拠ぉおおおっ!

 俺は心の中で叫んだ。

すると、その時。


 「証拠なら、ありますよ」


 校長の背後から、やにわに声が聞こえた。



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