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9 今回は敬遠されない
まあでも、それでもワンナウト二、三塁でビッグチャンスなのは変われへん。
ここでホームランが出れば一気に同点やし、ワンヒットでも二点入る確率が高い。
よっしゃあっ!かっ飛ばすでぇっ!
俺は気合を入れ、バッターボックスに入る前に二度三度素振りをした。
するとそんな俺に、キャッチャーの佐渡さんが話しかけてきた。
「しつこいなぁあんたら。もう諦めぇや」
それに対して俺は、不適な笑みを浮かべて答える。
「そうはいきませんよ。こっちは部の存続がかかってるんですからね」
「あんた、結構打ちそうやな。素振りを見てたら分かるわ」
「俺を敬遠するつもりですか?」
「アホな事言いな。あんたの所のピッチャーも凄いみたいやけど、
ウチのエースかって負けへんくらい凄いんやからな」
「みたいですね」
この回は、デッドボールとヒットが続いてこの状況やけど、
相手ピッチャーの球自体は、スピードもあるしキレもいい。
ソフトボール特有の下手投げから放たれるボールは、
なかなか真芯で捕えるのは難しそうや。
でも俺なら打てる。
必ず打つ!
自分にそう言い聞かせ、集中力を研ぎ澄ます俺。
ストライクゾーンにきた球は、どんな球でも全部打ち返す!
その心意気で俺はマウンド上の相手ピッチャーを見据えた。




