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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第六話 決戦!張高ソフトボール部!後半戦
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72/92

1 ピンチに到着

 それから約五分後、俺と碇はようやく張高グランドへと戻って来た。

 「急げ!早くグランドに行くぞ!」

 碇に声を掛け、俺は止まる事なくグランドへと向かった。

そしてグランドへ辿り着くと、幸いまだ試合は終わっていなかった。

 試合はどうなってる⁉

 咄嗟(とっさ)にスコアボードに目をやる俺。

するとゲームは六回の裏まで進んでいて、得点は四対一。

ソフトボール部が三点のリード。

尚も今はソフト部の攻撃で、現在ノーアウト満塁のピンチという状況やった。

 でも、俺が思ってたよりも点差は離れてない!

三点差ならまだ何とかなる!

 すると、グランドに辿り着いた俺と碇を見たキャプテンが、

慌ててタイムをとった。

そしてピッチャーマウンドに内野手の皆が集まり、俺と碇もその輪に加わった。

 「よう戻って来てくれたな松山君!これでウチのチームは百人力や!」

 キャプテンは碇の肩に手を置いて言った。

それに対して碇は、

 「あの、すみませんでした。

僕のせいで皆さんに迷惑をかけてしまって・・・・・・」

 と言って先輩方に詫びを入れた。

すると千田先輩がニカッと笑って言った。

 「気にせんでええ。それにこの試合は岩佐が頑張ったからな。

ここに来てへばったけど」

 「へ、へばってねぇよ・・・・・・」

 傍らの岩佐先輩はそう言って強がったが、

はたから見ても完全に息が上がっている状態やった。

そんな岩佐先輩を見ながら、キャプテンは言った。

 「よう頑張ったな岩佐。ここから後は、松山君に任せるんや」

 「な、何だと⁉こんな一年坊主にマウンドを譲れってのか⁉」

 キャプテンの言葉に怒る岩佐先輩。

するとサードの手古山先輩が言った。

 「お前はもう体がボロボロやないか。さっさとベンチに行って休め」

 ちなみにかく言う手古山先輩も、

何やらえらいユニフォームに血がついてるんやけど、

俺はあえてツッコまへん事にした。

 そんな中岩佐先輩は、碇をギロリと睨んでこう言った。

 「やい一年坊主。お前みたいなチンチクリンな奴が、

このピンチを切り抜けられるってのか?」

 それに対して碇は、何のためらいもなくこう答えた。

 「はい、多分大丈夫だと思います」

 言葉自体はあいまいなモンやったけど、

そう言った碇の目には、確かな自信がみなぎっていた。

するとそれを感じ取ったのか、岩佐先輩は、

 「フンッ!じゃあお前に任せてやるよ!」

 とぶっきらぼうに言い、フラフラした足取りでベンチに戻って行く。

しかし四点は取られたものの、岩佐先輩もようここまで粘ってくれた。

あなたの頑張りは無駄にはしませんよ。

 そしてキャプテンは、今度は近藤先輩の方に向いてこう言った。

 「近藤、お前はこっちの正野君と交代や。ここまでようやってくれた」

 「ええっ⁉俺も交代なんか⁉嫌や!

一時期野球部を離れとったとはいえ、ここの正捕手は俺や!」

 まあ、それもごもっともな話や。

そう思った俺は、とりあえずキャプテンに尋ねた。

 「えーと、どうしましょう?」

 するとキャプテンはこう続けた。

 「じゃあとりあえず近藤は、正野君が受ける松山君の球を見てくれ。

そんでその球が自分でも捕れると思ったら、

お前がキャッチャーをしてくれたらええ」

 「この子が投げる球やろ?捕れるに決まってるやないか」と近藤先輩。

碇は男にしては体格が小柄やから、

投げる球もそんなに大した事がないと思ってハるのやろう。

ところがどっこい、それが違うんやよなぁ。



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