7 仲直りの首絞め
「いや、そこまで驚くのはおかしいやろうが。
そもそもよう思い出してみぃ。
屋上でのあの時も、小暮は女子の制服を着とったやろ?」
「え、あれは単に、小暮君が女装好きな男の子だと思ってた・・・・・・」
「お前な、それはいくらなんでも可哀想やろ。
あいつはその事で結構悩んでるんやから」
「と、いう事は、小暮君は本当に女の子なんだね⁉」
「ああ、体の造りからして間違いない」
「え?体の造り?」
「あ!いやいや!それはこっちの話や!とにかく小暮は女なんや!」
「そ、そうだったんだ・・・・・・」
碇はそう言ってホッとした表情を見せ、こう続けた。
「僕はてっきり、昌也君が他の男の子に浮気をしたんだと思ってた。
でもそれは、僕の勘違いだったんだね」
「あらゆる意味で勘違いやな」
「小暮君が女の子なら、恋愛関係になるなんてありえないもんね」
「お前の考え方がありえへん」
「僕、野球部に戻るよ」
「ほ、ホンマか?」
「うん。僕はやっぱり、昌也君と一緒に野球がしたい」
「そうか」
碇の言葉に、俺はフッと笑みを浮かべた。
それに対して碇も、ニコッと笑みを浮かべた。
そして俺は碇の、
首を絞めた。
ぐぎゅううっ。
「ぐ、ぐぇえっ⁉ぐ、ぐるじいよマざやぐん・・・・・・」
もだえ苦しむ碇。
しかし俺は構わず絞め続けて叫んだ。
「やかましいわ!散々面倒かけおってからに!今からすぐに学校に戻るぞ!」
「わ、わがったから、はなじて・・・・・・」
碇がそう言うので、俺は首から手を離した。
すると碇はその場に跪いてむせかえった。
その碇に俺は、碇のスポーツバッグを差し出して言った。
「さっさと立て!早く行かんと試合が終わってまうぞ!」
「うう、もっと優しくしてよぉ・・・・・・」
「黙らっしゃい!早くせんと野球部が廃部になってしまうかもしれんねんぞ!
そうなったら俺と一緒に野球ができんくなるんやぞ!それでもええんか⁉」
「そ、それは嫌だ!」
「そうやろ!分かったら早く立て!今から行けばまだ間に合うはずや!」
「うん!分かった!」
碇はそう言って立ち上がると、俺の手からバッグを受け取り、
一目散に学校へ向かって駆け出した。
その後に続いて俺も走りだす。
この時点で、試合開始から五十分近くが経とうとしていた。
俺と碇が戻るまで、何とか頑張っていてください!
心の中でそう叫びながら、俺は碇とともに張高へと急いだ。




