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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第四話 エースの不在、帰ってきたバッテリー
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9 碇の家

その日の夕方。

部活を終えた俺は、グランドを出てある場所へ向かっていた。

ある場所とは言わずもがな、碇の家や。

 碇は今日も、部活どころか学校にも()ぇへんかった。

しかし試合は明後日。

残された時間はあまりに少ない。

だから何としても、今日のうちに碇の誤解を解いて、野球部に復帰してもらわんと。

 という訳で俺は、碇の家の前にやって来た。

碇の家は俺の家から数分という、結構近い場所にある。

何処にでもあるごく普通の二階建ての一軒家。

その家の前に立った俺は、門柱のインターホンを押した。

 ピンポ~ン。

とチャイムが鳴った後、しばらくしてからそのマイクから声が聞こえてきた。

 『はい、どちら様でしょうか?』

 上品な感じの女性の声や。俺はかしこまりながら言った。

 「あの、俺、碇君と同じ野球部の、正野昌也っていいます。えと、碇君は居ますか?」

 するとインターホンの女性は、

 『しょ、正野君⁉ちょ、ちょっと待ってね!』

 と取り乱したように言い、そのまま声が途切れたかと思ったら、

ほどなくして玄関の扉が勢いよく開け放たれた。

そして中から、碇と顔も髪型もそっくりな、エプロン姿の女性が現れた。

ていうか、碇本人か?

と思っていると、その女性は俺の前まで歩み寄って来て言った。

 「あなたが正野君なのね⁉」

 「そ、そうです。え、え~と、あなたは、碇君のお母さんですか?」

 たじろぎながらそう尋ねると、その女性はコクリと頷いて続けた。

 「そうです。私は碇の母で、(ひかり)といいます」

 やっぱりそうか。

それにしてもホンマによう似てる。

碇の奴も光さんと同じく、女に生まれたらよかったのになぁ。

それやったら俺だって・・・・・・って何を考えてるんや俺は⁉

 俺は頭をブンブンと横に振り、気を取り直して光さんに尋ねた。

 「あ、あの、ここ数日碇君が学校に来てないんですけど、どうかしたんですか?」

 すると光さんは浮かない顔で答えた。

 「実はあの子、数日前から部屋に閉じこもったまま出てこないの・・・・・・」

 「それってまさか、引きこもりってやつですか?」

 俺の言葉に、光さんは力なく頷く。

そんな光さんに、俺は続けて尋ねた。

 「ど、どうしてそうなったのか、理由は言ってましたか?」

 「それが、部屋にこもったまま何も話してくれなくて・・・・・・」

 「そう、ですか・・・・・・」

 「正野君、あなたの事は碇によく聞いてるわ。

もしよければ碇の部屋に行って、直接話をしてもらえないかしら?」

 「わ、分かりました・・・・・・」



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