2 鹿島さんにお願い
「あ、そうや。鹿島さんにちょっとお願いしたい事があるんですけど」
「ええっ⁉そのお願いは聞かれへんわ!」
「そうですか、それは残念です・・・・・・ってまだ何も言うてませんけど⁉」
「基本基本」
「あの、お願いいいですか?」
「お金以外の事なら大体」
「そうですか、じゃあ──────」
と俺は、ここで至極声を潜めてこう言った。
「ちょっと、ウチの校長の動きを探ってもらえませんか?」
すると鹿島さんも声を潜めてこう聞き返してきた。
「え?校長?それとも盲腸?」
「校長ですよっ。何で鹿島さんに盲腸の調査を依頼するんですかっ」
「でも、何で校長センセの動きを知りたいの?
校長センセをストーカーしたいの?」
「んな訳ないでしょっ!そうやなくてですね、
俺ら野球部は今度の日曜、ソフト部と野球の試合をする事になったんですよ」
「あ、そうなん⁉じゃああたしも応援に行くわ!」
「ありがとうございます。それでですね、
その試合で俺らが負けたら、野球部は即解散なんですよ」
「ええっ⁉何で⁉」
「そういう風に校長が仕組んだんですよ。
どうもあの人は、個人的にウチの部を潰したいらしくて」
「何でやの⁉そんなん絶対許されへん!」
「だからその辺の校長の企みを、新聞部である鹿島さんに調べて欲しいんですよ」
「うーんでも、そんな事して大丈夫かなぁ?
もし校長センセの事を調べてる事がバレたりしたら・・・・・・」
「まあ無理にとは言いませんよ。
ただ、今度の試合で負けて野球部が廃部になったら、
キャプテンはさぞ悲しむでしょうねぇ・・・・・・」
「よっしゃ分かった!あたしが校長センセの企みを暴いてあげる!」
「やってくれますか?」
「勿論や!あたしはヤマちゃん(キャプテンの事)・・・・・・
あ、いやいや、野球部の皆の味方やからね!
それじゃあ早速情報集めに行ってくるわ!」
鹿島さんはそう言うと、大ハリキリで走り去って行った。
流石はキャプテンにゾッコン片思い中の鹿島さん。
キャプテンの為なら、例え火の中水の中って感じやな。
ええように利用して申し訳ない気もするけど、
もしこれで校長の企みが分かれば、今度の試合に負けても、
廃部は免れられるかもしれん。
そうなった時は、キャプテンから鹿島さんに何かお礼をしてもらおう。
さて、じゃあ俺は岩佐先輩と近藤先輩を探しに行くか。
俺は踵を返し、二人の居場所を求めて歩き出した。




