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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第三話 校長の企み、大京山のもくろみ
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16 先輩達は楽観的

 キャプテンの言葉を聞き、安堵(あんど)の声を上げる先輩達。

しかしもうひとつ安心できない俺は、キャプテンに尋ねた。

 「何か皆さん、もう廃部を(まぬが)れたみたいな雰囲気になってますけど、

この学校のソフト部って、あんまり大した事ないんですか?」

 するとキャプテンは、至って軽い口調でこう答えた。

 「ああ、この前の大阪大会で優勝した」

 それを聞いた俺は目ん玉が飛び出しそうになった。

 「どええええっ⁉メチャクチャ強いやないですか!

それやのに何でもう勝ったみたいな気分になれるんですか⁉」

 俺はそう訴えるが、キャプテンは自信満々にこう返す。

 「大丈夫や!何せ今のウチのチームには、

中学時代最強やったピッチャーとキャッチャーが()るからな!」

 「いやあでも、相手が大阪一位のソフト部となると、

かなり手ごわいと思うんですけど」

 すると今度は千田先輩がこう言った。

 「ウチはこの前の矢沙暮高をも倒したんや!

今の俺達なら大阪一位のソフト部やろうが、互角以上にやりあえる!」

 「そ、そうですかねぇ?」

 正直言うとあの時矢沙暮高に勝てたのは、

超が付くほどの奇跡と言っても過言ではない。

矢沙暮高はホンマに強かった。

このチームでもう一度やれば、あっさり負けてもおかしくはない。

 だからこの状況は極めて深刻やと思うんやけど、

先輩達はすっかりルンルン気分になっていた。

ハッキリ言うて今の先輩達は、

この前矢沙暮高に勝った事ですっかり天狗になっていらっしゃる。

まあそれは仕方がないとしても、今の状況でそうなるのはかなりマズイ。

そして何より心配なのが碇や。

あいつ、大丈夫やろうか?

もしこのまま野球部に()ぇへんくなったりしたら、

ソフト部に勝てるわずかな望みも消えてしまう。

そうなるとこの部は廃部になって、

伊代美をこのチームのマネージャーにして甲子園につれていけなくなってしまう。

という事は、俺が甲子園出場を決めた暁に伊代美に告白するという青写真が、

絵にかいたモチになってしまうやないか!

 それはアカン。

 そんな中先輩達は、

 「よぉし!今度の試合も何としてでも勝つぞ!そしてこの部を守るんや!」

 「おーっ!」

 と大いに盛り上がっている。

しかし俺はその中でただ一人、この絶望的な状況に顔をひきつらせていた。



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