14 廃部の危機
それから少しして、俺は部室へと向かった。
さっき碇が部室に集合ってな事を言うとったので、
とりあえずそこに行く事にしたのや。
それにしても、碇にはえらい所を見られてしもうた。
あれは絶対に誤解されたな。
えらい泣きながら走って行ったけど、
そのまま野球部を辞めるなんて事はまさかないよな?
それから小暮。
不慮の事故とはいえ、とんでもない事をしてしもうた。
あいつのアレ、柔らかかったなぁ・・・・・・
いやいやそうやなくて!
怒ってるやろうなぁ・・・・・・。
もうこれからは、口もきいてくれへんかも。
「はぁ・・・・・・」
海より深いため息をひとつ。
そんな事を考えながら歩いていると、やがて部室の前に辿り着いた。俺は、
「失礼します!遅れてすみません!」
と言いながら、部室の扉を開けて中に入った。
中にはキャプテンを始め、他の先輩達ものきなみ集まっていた。
が、そこに碇の姿はなかった。
そんな中、俺の姿を見たキャプテンが、不思議そうな顔で俺に言った。
「あれ?松山君が君の所に行けへんかったか?」
「え?あ、ああ、あいつなら、何か急に気分が悪くなったとか言うて、
保健室に行きました」
さっきの出来事を正直に話す気にはなれんので、俺は咄嗟に誤魔化した。
するとキャプテンはそれを特に疑うでもなく、
「それは災難やなぁ」
と言い、部員の皆を見渡してこう続けた。
「じゃあとりあえずこのメンバーでミーティングを始めるわ。
実はな、大変な事になったんや」
「大変な事?何かあったの?」
キャプテンの言葉に、
市長の息子でちょっと小太りでおっとりした性格で
ポジションがライトの山下耕太先輩が聞き返す。
それに対してキャプテンは、至極険しい表情になってこう言った。
「野球部が、廃部になるかもしれへん」
「ええええっ⁉」




