13 最悪の展開
変態オヤジか俺は!
ここはまず謝るべき所やろ!
そやけど頭がパニック状態で次の言葉が出てけぇへん!
一方の小暮もどういうリアクションをしたらええのか分からへん様子で、
目を丸くしている!
と、とにかく早く小暮から離れよう!
万が一こんな所を誰かに見られたりしたら、誤解どころの騒ぎやあれへん!
と、思ったその時、ガタン。という音とともに、校舎入口の扉が開き、
そこから一人の人物が現れた。
しかもその人物はよりにもよって、
碇やった。
そして碇は俺の顔を見るなり、
「あ、昌也君、ここに居たんだね──────」
と言いかけたが、俺の下に横たわる小暮に気づいた瞬間、
言葉を詰まらせて目を大きく見開いた。
な、何で碇がここに⁉
しかし今更そんな疑問は無意味やった。
俺はとりあえず、両手をブンブン横に振って碇に弁解した。
「ち、ちゃうねん!これにはいろいろと訳があってやな!
決してワザとやなくて、結果的にこうなってしもうたのであって──────」
だが碇はそんな俺の言葉を聞く様子もなく、ひきつった顔でこう言った。
「キ、キャプテンが、部員の皆で今から緊急ミーティングをするって言うから、
僕、ずっと昌也君を探してたんだ・・・・・・
そしたら屋上でやっと昌也君を見つけて、
それで、小暮君を押し倒していて・・・・・・」
「ま、待て碇!違うんや!」
俺は腹の底からそう叫んだ。
が、そんな必死の訴えも虚しく、碇は、
「うわああん!」
と泣き叫び、踵を返して走り去って行った。
「・・・・・・」
あまりに最悪な展開に、俺は数秒間思考が停止した。
そしてとりあえず、小暮に向かってこう尋ねた。
「ど、どないしよう・・・・・・」
それに対して小暮は、顔を真っ赤にしながら俺から目を逸らし、呟くように言った。
「とりあえず、どいてくれないか?」
「え?あ!ゴ、ゴメン!」
ハッと我に返った俺は、慌てて小暮の上から飛びのいた。
そして小暮も起きて立ち上がり、スカートについた汚れを両手で払った。
「あ、あの、ホンマにゴメン・・・・・・」
俺は改めて小暮に詫びた。すると小暮は、
「うん・・・・・・」
と力なく頷き、そのまま振り返ってトボトボと校舎の方へ戻って行った。
その後姿に俺はそれ以上何も言う事ができず、
ただその場に立ち尽くす事しかでけへんかった。
「最悪や・・・・・・」
思わず独りごちる俺。
しかもこの出来事が、後日更に最悪な事態を招いてしまうとは、
この時の俺は知るよしもないのやった。




