3 昌也は五百円
そして今度は俺の方に向き直って言った。
「そういう事なら、君も松山君と一緒にウチのチームに来ないか?」
「ええ?俺も?」
思わぬ言葉にたじろぐ俺。
「どうかな松山君。彼と一緒なら、ウチのチームに来てくれるかな?」
夏田監督がそう言うと、碇はボソッと呟くように言った。
「それならまぁ、行っても、いいかな・・・・・・」
「うぉおい!碇⁉」
焦る俺。
一方の夏田監督はニヤリと笑って俺に言った。
「どうだい?
松山君もああ言っている事だし、君にとってもいい話だと思うんだが」
「お断りします!」
「まあそう言わずに。松山君同様、タダでとは言わない」
「なっ⁉俺も金で釣ろうって言うんですか⁉でもどうせ碇より安い金額でしょ⁉」
「そんな事はない。ウチの高校に来てくれるのなら、松山君に近い金額を用意しよう」
「ええっ⁉って言う事は、俺にも五百万円くらいくれるって事ですか⁉」
「惜しい、正解は五百円だ」
「やっすぅっ⁉何処が碇に近い金額や!」
「漢字で書いたら一文字しか変わらない」
「金額的に全然違うでしょ!」
「分かった。じゃあ消費税も上乗せしよう」
「要らんわい!いくら積まれても俺も碇も大京山には行きません!
おい碇!もう行くぞ!」
俺はそう言い放つと、碇の腕を掴み、
そのまま校長室を出て行こうとした。
それを見た校長が慌てて、
「おい!何処に行く気かね⁉話はまだ終わっとらんぞ⁉」
と叫んだが、俺はそれを無視して校長室を出た。
部屋の中では校長がまだ何やらわめいとるけど、
そんな事は知ったこっちゃない。
話はもう済んだんやからな。




