10 ここからが本題
俺がそう言うと、小暮は俺の方に向き直って眉を潜めた。
「俺のおじいちゃんが?どうして君に?」
「俺ん家の前でバテて倒れそうになってたから声を掛けたんや。
お前、京都からはるばるおじいさんが訪ねて来てくれたのに、
話も聞かんと逃げ出したらしいな」
「う、それは・・・・・・」
俺の言葉に、バツが悪そうに目を逸らす小暮。
俺は構わず続けた。
「おじいさん言うとったぞ?お前にはもっと野球を続けて欲しかったって」
「俺に野球を教えてくれたのはあの人だからな。昨日も凄く怒っていただろう?」
「いや、怒ってはなかったよ。
自分の意思で野球を辞めたのなら、それは仕方がないって言うとった」
「・・・・・・」
「ただ、何でお前が野球を辞めたのかを気にしてハッたな。
そしてそれは、俺がこの場で一番聞きたい事でもある」
「そんな事、どうして君に話さなくちゃいけないんだよ」
「そりゃお前、
俺が前々からこんなに誠心誠意を込めてお前を野球部に誘ってるっちゅうのに、
お前は『嫌だ』の一点張り。
中学時代は俺や碇のチームを負かして全国優勝までしたお前が、
何で高校に入った途端野球を辞めんねん?
せめてその理由を聞かんと、こっちも納得できへんっちゅう話や」
「じゃあ理由を話せば、もう俺に付きまとわないと約束してくれるか?」
「約束しよう、だから教えてくれ」
「・・・・・・分かった。そこまで言うなら、話すよ」
「おう、教えてくれ」
小暮との約束を守るかどうかはまあさておき、
遂に小暮が野球を辞めた理由を聞ける時がきた。
俺は小暮をジッと見据え、
次に発せられるであろう言葉に意識を集中させた。
すると小暮は、何やらモジモジしながら俺にこう言った。




