表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第二話 碇の不満、小暮の悩み
PR
22/92

4 デートの相手は伊予美ちゃん?

 それから数日後の日曜日。

俺は近所の駅前で、ある人物と待ち合わせをしていた。

ちなみにその人物とは、松山碇。

前々から一緒に遊ぶという約束を、遂に果たす日がやってきたのや。

 まあでも、今日は碇と遊ぶってだけで、別にデートという訳では決してない。

大体男同士でデートっちゅう事自体がおかしいやないか。

マッタク、あいつのホモさ加減にはホンマに困らされる。

しかも俺に惚れてるとか言うし。

これが伊代美やったら大歓迎なんやけどな。

今日のデートかって、それはそれは楽しいモンになったやろう。

 「はぁあ~・・・・・・」

 俺は全身の精気がすべて漏れ出しそうな程に深いため息をついた。

するとその時、

 「あ、昌也君」

 と、背後から声をかけられた。

碇の奴が来たんやなと思い、俺は後ろに振り向いた。

するとそこに、


 伊代美が立っていた。


 「あええっ⁉い、伊代美ちゃん⁉」

 予期せぬ事態に、俺は思わず両目をゴシゴシとこすった。

一瞬、俺の願いがそのまま幻覚となって現れたんかとも思ったけど、

どうやら目の前に居る伊代美は幻覚ではないみたいやった。

 ちなみに今日の伊代美は白のブラウスに淡いオレンジ色のカーディガンを羽織り、

膝下のふんわりしたスカートを合わせたいかにも女の子らしい格好をしていた。

学校以外で会うのはホンマに久し振りやけど、

私服の伊代美もやっぱり可愛い。

そのあまりの可愛さに、俺は思わず呟いた。

 「えぇわぁ・・・・・・」

 するとそれが伊代美に聞こえてしまったらしく、彼女は、

 「え?ええって、何が?」

 と言って目をパチクリさせた。

イカン!これやと俺はただの変態オヤジみたいやないか!

なので俺は慌てて話を逸らした。

 「あ!いや!何でもないよ!それより伊代美ちゃんは何でここに?」

 まさか、碇は突如急用ができて来られへんくなったから、

伊代美が代わりに俺と遊んでくれるとか⁉

 などと超ご都合主義な展開を期待していると、伊代美は俺に向かってこう言った。

 「ちょっと今から電車でお出かけしようと思って」

 「あ、そ、そうなんや」

 まあ、そりゃそうやわな。

伊代美が俺と遊んでくれるなんてありえへんもんな。

と、心の中で勝手に落ち込んでいると、今度は伊代美が俺に尋ねてきた。

 「昌也君もこれからお出かけ?」

 うん、君と一緒にお出かけできたらどれほど幸せな事か・・・・・・

とシミジミ思いながら、俺はこう続けた。

 「いや、俺はちょっとここで人と待ち合わせを」

 すると伊代美はピンときたように両手を合わせ、こう言った。

 「あ!分かった!小暮さんと待ち合わせしてるんやね!」

 「違う!」

 俺は〇、二秒以内に否定した。

しかし伊代美は全く信じてくれる様子もなく、ニンマリしながら続けた。

 「照れんでもええよぉ~。

じゃあ小暮さんが()ぇへんうちに、お邪魔虫は退散するね。バイバ~イ」

 「いや、だから違・・・・・・」

 俺の弁解を聞こうともせず、伊代美は駅の改札の方へ駆けて行った。

 ああ、また伊代美の誤解が深まってしもうた。

俺と小暮はそういう関係やないのに・・・・・・。

 そういえば小暮の奴、もう野球部には入ってくれへんのやろうか。

入ってくれへんと、俺がキャプテンに怒られるんやけどなぁ・・・・・・。

 「はぁあ~・・・・・・」

 再び深いため息をつく俺。

何か最近うまくいかへん事だらけで、精神的に疲れた。

こんなにしんどい思いをしてるのは俺だけとちゃうやろか?

何で俺だけこんなにしんどい思いをせなあかんねん。

ていうか碇の奴はまだ()ぇへんのか?

待ち合わせの時間はもう過ぎとんのに、何をしてるんやあいつは⁉

ぬぉおっ!()よ来い碇!

 と、碇に怒りを爆発させていたその時、

 「昌也く~ん」

 と能天気な声を発しながら、その碇が手を振りながらやって来た。

そして何ら悪びれる素振りもなくこう言った。

 「ごめんね昌也君、待った?」

 それに対して俺は、怒りをストレートに爆発させた。

 「待ったわバカタレ!何で一時間近くも待たすねん⁉」

 「違う違う。そういう時は、『今来た所だよ♡』って言わないと」

 「アホか!何で男相手にそんな気を遣わなあかんねん⁉」

 「僕も今来た所だよ♡」

 「知っとるわアホ!だからもっと()よ来いって言うてるんやろうが!」

 「これから何処に行く?」

 「俺の話を聞けぇっ!」

 出掛ける前からこの有様。

今日はこれから、どうなってしまうんやろうか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ