3 さあて、どうだろうねっ⁉
という訳で次の五時間目後の休み時間。
俺は碇と話をする為奴の席に歩み寄り、声を掛けた。
「おい、ちょっとええか?」
すると碇は露骨に頬を膨らませ、そっぽを向きながら言った。
「何?」
「お前に話があるんやけど」
「僕は別に昌也君と話す事なんてないけど」
「お前なぁ、何をそんなにムクれてんねん?」
「そんな事、自分の胸に聞いてみればいいじゃないかっ」
「いや、実はある程度分かってるんやけどな。
要するに俺がお前との約束をすっぽかしてる事に怒ってるんやろ?」
「さあて、どうだろうねっ⁉」
「思いっきりその通りやないか・・・・・・。
っていうかお前、ホンマに大京山に行ってもええと思ってるんか?」
「さあて、どうだろうねっ⁉」
「なあ、頼むから機嫌直してくれや」
「さあて、どうだろうねっ⁉」
「まあ、ずっと約束をすっぽかしとった俺も悪い。
だから、今度の日曜にでも──────」
「さあて、どうだろうねっ⁉」
「うるさいなぁオイ!俺の話を聞けや!」
「あ、ゴメン。全然聞いてなかった」
「お前な・・・・・・だから、今度の日曜にでも遊ぼうかって言うてるんや」
「えっ⁉ほ、ホントに⁉今度こそちゃんと約束を守ってくれるんだね⁉」
「守るがな。だから大京山に行くなんて言わんとってくれ、この通り!」
俺はそう言って碇に両手を合わせて頭を下げた。
すると碇は一転してパァアッと笑顔になり、
「うゎあぃっ!昌也君とデートだぁっ!」
と叫びやがったので、俺は慌ててその口を塞いだ。
が、時既に遅く、今の碇のセリフをバッチリ聞いた周囲のクラスメイト達は、
怪訝な顔で俺の事を見つめていた。
ああ、この学校での俺のイメージがドンドン悪くなっていく・・・・・・。
碇の機嫌は直ったものの、それと引き換えに俺は、
何か大事なものを失った気がした。




