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ハリガネベイスボウラーズツウ!  作者: 椎家 友妻
第一話 ソフトボール部の壁、強豪校からの刺客
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17/92

11 気になる一言

 ところが、そんな物凄い打球をカッ飛ばした定山の表情は、

以外にも不満そうやった。

そしてヘルメットとバットをその場に投げ捨て、

「帰るわ」

と言って出入り口の方へ歩いて行こうとした。

その意外な行動に、俺は思わず声を掛ける。

 「あの、もういいんですか?」

 すると定山は立ち止り、呟くように言った。

 「とんだ期待外れや。何で監督はあんな奴に目をつけたんや」

 そして定山はそのまま去って行った。

その後姿に、俺はそれ以上声を掛ける事ができへんかった。

でも、今定山が言ったセリフが妙に心に引っかかった。

 監督が碇に目をつけたっちゅうのはどういう事や?

定山が言うた監督っちゅうのは、当然大京山の監督やろう。

という事は、大京山の監督が碇の実力に目をつけ、

自分のチームにスカウトしようとしてるっちゅう事か?

 「まさか、な・・・・・・」

 と、俺が独りごちたその時。

マウンド上に居た碇が、

 「帰る」

 とむくれた表情で言い、マウンドを降りて帰り支度を始めた。

 「お、おい、待てや碇。練習はまだ終わってないぞ」

 俺は慌てて呼び止めたが、碇の奴はプイっとそっぽを向き、

さっさとグランドから去って行ってしもうた。

 何やねんあいつ。

定山に投げたあの気の抜けた球といい、今日のあいつは何かおかしかった。

一体何やっちゅうねん。

と首をひねっていると、キャプテンが傍らに歩み寄ってきて言った。

 「相手が強豪校の五番打者とはいえ、

あれだけ完璧に打たれた事がショックやったんやろうなぁ」

 でも俺は、その言葉に素直に頷く事ができへんかった。

碇があんな態度をとったのには、もっと他に理由がある気がした。

まあでも今はそんな事より、定山が最後に残したセリフが妙に気になる。

これからまた、何かが起ろうとしてるのやろうか?



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