11/92
5 小暮も野球をやりたくない
「待てーい!俺の話を聞け!」
「それはこっちのセリフだ。
俺は野球部に入るつもりはない。この前言っただろう?」
「分かってる!そやけどやっぱりお前はウチのチームに必要なんや!
だから頼む!野球部に入ってくれ!」
「そう言われても、俺はもうソフト部に入ったし」
「そのソフト部を辞めて、野球部に入ってくれ!」
「無茶言うなよ」
「無茶を承知で頼んでるんや!」
「嫌だって言ってるんだ」
「何でやねん!人がこんなに一生懸命頼んでんのに!
何でそんなに野球部に入るのが嫌やねん!」
「もう野球はやりたくないんだよ」
「そんなん納得できるか!やりたくない理由を言え!」
「嫌だよ。何でそんな事を君に言わなくちゃいけないんだよ」
「ムキョーッ!入部したくないとかやりたくないとか言いたくないとか!
俺はお前をそんなワガママな娘に育てた覚えはないぞ!」
「そもそも育てられてないし」
「ぐぬぬぬ・・・・・・」
相変わらず愛想のないやっちゃな!
少しでも伊代美の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぞ!
(むしろ俺が飲みたい)
こうなったら意地でもこいつを野球部に引き入れたる!
と、俺の中の負けん気がムクムクと湧き上がってきた、その時やった。




