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外れスキル土下座は超絶有能スキルだった

 俺は今ヘルハウンドと呼ばれる魔物の前に一人でいる。


 その瞬間俺の頭の中に今までの人生が走馬灯のように流れ込んできた。


 幼くして両親を亡くし、孤児として村の教会に預けられた。幸いなことに俺と同じような孤児が3人いたから寂しい思いはしなかった。

 そしてよく4人で大きくなったら冒険者になって、良い生活をしようと話をしていた。

 あの時は本当に楽しかった。

 だけど歯車は簡単に狂ってしまった。

 そう、スキル授与式で。

 スキル、人間は15歳になると神様からスキルとステータスを授けられる。

 そのスキルで人生は決まるといっても過言ではない。

 スキル【聖剣】や【魔導王】や【勇者】や【生産マスター】等々の大当たりのスキルを引いたものは人生全てが上手く行くようになる。何処に行っても好待遇で迎えられ、豪華な家から豪華な食事に絶世の美女から美男子まで自由に手に入れられる。それほど圧倒的な力を手にするのだ。

 といっても、そんな大当たりスキルを貰う人は1年に数人しかいないらしい、逆に言えば毎年数人はそんな大当たりスキルを獲得しているらしい。

 そんで、俺はまあ、期待していないと言えばウソになるがそれなりにいいスキルが出ることを願って、スキル授与式を受けた。

 そして与えられたのはスキル【土下座】だった。

 その瞬間俺の世界は変わった。

 一緒に冒険者になろうと言っていた三人はそれぞれ、スキル【剣術】に【火魔法】に【探索】という非常に冒険者向きのスキルを手に入れて、三人で冒険者になった。俺は置いてけぼりだ。

 といっても俺も冒険者になった。というかなるしか選択肢が無かった。俺の村の教会は裕福ではない。土下座というクソスキルを持っている人間に住む場所を提供してくれるほど優しくはなかった。

 特に何も持たされずにそのまま追い出された。

 俺には特にこれといって優れた技能はないから職を手に入れられるわけもなく、身一つで出来る冒険者になるしか方法はなかった。

 そうして冒険者になった後も地獄だった。

 毎日薬草を刈ったり、他のパーティーの荷物持ちをして、ギリギリ食いつないでいった。

 それによく皆から面白がられて土下座を強要された。最初は抵抗があったが、抵抗したら殴ってでも無理やりやらされるので抵抗しない方が良いと決め、土下座をするようになった。

 毎日のように面白半分で土下座を強要され皆の前で土下座して、ペコペコ頭を下げながら俺には土下座というスキルを与えられたのでとヘラヘラ笑う日々。

 プライドなんてものはとっくの昔に何処かに消えてしまった。

 毎日、土下座して、媚び売って、謝って、土下座して、土下座させられて。

 俺って生きている意味あるのかと不思議に思うような冒険者生活を送ること2年。

 そして、今俺は臨時で荷物持ちとして雇われたパーティーで囮にされた。

 5階層のボス部屋で本来は出ないはずのヘルハウンドがいきなり現れたため、それから逃げるために囮にされた。

 味方だと思っていたスキル【格闘】持ちの仲間からいきなり蹴飛ばされて、ヘルハウンド前まで飛ばされた。


 そしてヘルハウンドは俺を完全にエサとしてロックオンした。

 舌なめずりをしてゆっくりと得物をなぶるように近づいてくる。

 俺は必死に逃げようと思ったが恐怖で身体がこわばり動けなかった。

 死にたくなかった。死にたくなかった。死にたくなかった。俺はこんな所で死にたくなかった。自分の生きている意味を不思議に思ったりするが、やはり、こうして死というの目前とすると生きたくなった。

 死にたくない。生きたい。生きたい。生き抜きたい。

 そうしてヘルハウンドが俺の頭にかぶりつこうとその大きな口を開けた瞬間だった。


 俺は土下座した。


 綺麗な土下座だったと思う。

 あらだけ恐怖で身体は動かなかったのに。何千回、何万回としてきた土下座は簡単に出来た。それこそ息を吸うかのように綺麗に素早く土下座は出来た。


 多分俺が土下座をしたのは、魔物に許して欲しかったからだ。

 俺を食べるのを殺すのを許して欲しかったからだ

 だから土下座した。許してもらうために土下座した。いつもの様に地面に頭をこすりつけて心の底から土下座をした。

 そして体感で1分程地面に頭をこすりつけていた、その時だった。


 ヘルハウンドが戦線離脱をしました。

 経験値5000を獲得しました。

 ゴールドを5000を獲得しました。


 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。

 レベルが上がりました。


 ・・・・・・・・・


「どういうことだ?レベルが上がっただと」

 俺は恐る恐る顔を上げた。

 するとそこには何もいなかった。

 そうあの俺を食い殺そうとしていたヘルハウンドがいなかったのだ。


「どういうことだ?これは?いやまさかまさかまさか、土下座したから許してもらえたのか?」

 自分の中で有り得ないが、しかし、納得のいく答えが頭に浮かんだ。


「そしてこの経験値は何だ?確かあの時戦線離脱って言ってたよな?それってあのヘルハウンドが逃げたということか?いや、違うヘルハウンドが俺の土下座を見て食い殺すのを許し、立ち去ってくれたのだ。そうか、俺の土下座は魔物にも効果があるのか。というか待て俺今経験値とゴールド貰えたよな?そしてレベルが上がってよな。ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 俺は笑った。多分人生で一番笑った。

 その笑いは俺の土下座が魔物にも効くほど凄い物だという、一種の自信と驚きと悲しみ。そしてこの土下座の効果で魔物から逃げる、いや魔物が戦線離脱をしてくれると俺に経験値をゴールドをくれるという事実に対して笑った。


「なあ、もしかしてだが、俺のこの外れだとずっと思っていた外れスキル【土下座】って実は超絶凄い大当たりスキルじゃないのか?少なくとも絶対に勝てない魔物に土下座しただけで経験値とゴールドを貰えたんだ。これを繰り返したら俺は最強になれるんじゃないか。そして俺を土下座させて笑ってきたクソ共を上から見下ろして笑えるんじゃないか。ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい。やってやる。俺はこの【土下座】で最強になってやる」

 そして俺の人生はこれを機に大きく変わることとなった。


 ――――――――――

 主人公の性格説明という設定

 名前・ラック 年齢17歳

 ・基本的には心優しい性格であったが、外れスキル土下座を獲得してから、かなり地獄みたいな生活を送り。少々ねじ曲がってしまった。ただまあ一応優しい感じで行かせるつもりです。

 基本的に人と会話をするときは敬語、丁寧語を使うように心がけており、出来る限り自分より強い者の機嫌損ねないようにしている。

 ・土下座を毎日していたせいか、プライドという物はすり減り無くなっている。その為。見っともないこともあくどいことも意外と平気な顔して出来る。

 ・後々強くなるって行き。自分よりも弱い存在が自分に対して失礼な態度を取り、舐めてかかってきたりすると。一切の容赦なくぶちのめす。

 ・結構行動力がある。

 ・当たり前だが童貞で、プライドがないため、自信もなく自分は女性にモテないと思っている。ただ性欲はあるため。ハニトラには引っかかりやすい。


 容姿

 身長は170センチと少し、体重は55キロ、髪は黒色で肌は肌色。

 ようは日本人みたいな感じです。

 イケメンというわけではないが、別にみてて不快になるブサイクではない。ようはフツメンということで。

今日は後2話投稿します。

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