7/31
追放少女と双子
訓練所の一角。
石畳の広場に、乾いた木剣の音が響いていた。
「せーのっ!」
「えいっ!」
元気な掛け声と共に、二人の少女が舞うように動く。
小柄な体に揃いの軽鎧を纏い、動きも呼吸も完璧に揃っている。
それは、訓練所でも有名だった双子の冒険者、リィナとリセだった。
「すごいなぁ……」
ミナが、凪咲の腕にしがみつきながら、目を輝かせる。
凪咲も、静かに頷いた。
「二人で、あんなふうに動けるんだ……」
見ているだけでわかる。
彼女たちの絆の深さ、技術の高さ、互いを信じ合う無言の連携。
そんな凛々しい姿に、ミナはたまらず声をかけた。
「ねえねえ!つよいね!」
突然話しかけられた双子は、顔を見合わせて、にこりと笑った。
「ありがと!」
「君たちも訓練しに来たの?」
リィナが人懐っこく訊ね、リセも隣でぴょこぴょこと頷いた。
凪咲は少しだけ戸惑いながら、ミナの背中を押して前へ出した。
「うん……でも、まだまだ、だよ」
ミナが照れくさそうに笑うと、リィナもリセもまるで妹を見るような柔らかい目をした。
「がんばってね!」
「今度、手合わせしようね!」
明るい声に、ミナも「うん!」と元気に返事をした。
凪咲も、小さな声で「……よろしく」と応えた。




