仲介人2
「あるにはあるぜ」
木製の床が軋み、隙間風が流れてくるお世辞にも立派なところとはいえない店。その奥にいる主は、そう答えた。
しかめっ面かと思ったらそれが普通らしい。乗馬ズボンに半袖シャツ、手袋をした白髪混じりの中年男ーーそれがリバレスの仲介人だった。
「ただ、バリ坊はともかくーー」
仲介人とバリは旧知の仲らしい。坊はやめてください、とバリは恥ずかしげに伝えるが意にも介さず仲介人は続ける。
「そこの田舎者っぽい坊主」
ギロリと視線がおくられ、一瞬たじろいでしまいそうになるが堪えるジーン。
「これは親切心からきいてるから、正直にこたえろよ? お前、賊や魔物との闘いはできるか?」
馬車での移動は、必ずしも安全とは言い難い。とくに森は賊や、腹を空かせた魔物がいてもおかしくない。それを踏まえての質問だろう。
「……賊は、うちの村にはきたことがない。だから闘ったことはない。だけど魔物とは何度もある。加護もあるし、魔法学園の入学試験にも合格したから」
「ほぉう。なら、その言葉を信じようか」
仲介人は羽根ペンにインクをつけると、さらさらと紙に何やら書いていく。
「この住所に向かえ。この忙しい時期に手が空いてるような業者はこいつしかいねえよ」
バリ曰わく「かなり安い」仲介料を支払い、二人は書かれている住所に向かうのだった。




