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仲介人1
「首都まで? 今は高いからね、このくらいはいるよ」
ムリ。
「春はなにかと忙しいだ。商人優先になっちまう」
ムリ。
春は商売が盛んになり、臨時の隊商を組むために馬車の需要が高くなっている。加えて、御者と護衛の費用もある。
少年ふたりは平年の相場程度の金額はもっていたものの、それ以上はさすがにもっていなかった。
直接業者とやりとりするほうが手っ取り早いと思っていたが、時間だけが浪費されていく結果となった。
「うーん、さすがに徒歩は辛いからなあ」
ジーンはボリボリと頭を掻き、溜め息を漏らす。
「……でしたら、仲介人を頼るのはどうでしょう」
「仲介人か」
酒場や冒険者ギルドが、クエストといった形で冒険者と依頼主の仲介をしているのが代表的な例といえる。
仲介人を間に入れると余分に金がかかる。そのかわり、自分で御者等を探し回る手間が減るし、多少の補償もある。
金はおしいが、このままでは時間を浪費してしまうのでは話にならない。
「その手の仲介人を知っているのか?」
ジーンの問いにバリはにっこりと頷く。
「もちろんです。この街の人間ですから」
得意げに胸をたたくバリであった。




