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ルーブン商会
リバレスの大通りは賑わいをみせていた。
このあたりにはここ以上に大きな街はなく、さらに河があることで物流も栄えているのだ。
そんな大通りを脇にそれて道を進んでいくと、じめっとした空気が重たく押し寄せてくる。河を由来とした湿気だ。
そこに、古くさく一部木が朽ちかけている建物があった。
「ルーブン商会……どうやらここのようですね」
バリは扉を数度叩くと、そのボロボロの建物へと入っていった。
「こんなところで大丈夫なのかよ……あのおっさんめ」
ジーンはぼやきながらバリの後についていった。
薄暗い室内はバーのようなカウンターと、その前に木製の椅子が置かれている。部屋の隅には使われていないテーブルと椅子が積まれてあった。
外観に比べると中はある程度掃除もされているようで、居心地も悪くない。
「あ、お客さん!? いらっしゃーい!」
カウンターの端奥にある部屋からひとりの少女がパタパタと駆け寄ってくる。
年の頃はジーンとたいして変わらないだろう。焦げ茶色の髪をひとつに束ね、頬には少しそばかすができている。ほつれたネルシャツを腕まくりし、まるで活発な少年のような印象を与える、そんな少女だった。
「私、シカナっていいます! シカナ・ルーブンです!」
少女は二人を見て、ニカッと笑うのだった。




