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バリとの出会い

 首都までは徒歩で七日。そこからさらに学園までだと小半日かかる。いくらなんでもそこまで歩くのは無謀だ。

 疲れるし、何より道中モンスターや賊と遭遇する可能性もある。


 大通りやある程度整備された道であれば、その地方の代表者が雇った衛兵が配置・巡回しており、女子供であっても安全性は高い。

 

 しかし、ジーンの田舎村から首都にいくためには、森を通る近道と、森を迂回し運河を渡る遠回りのルートしかない。

 遠回りルートでは船賃が高く出費がかさむ。森を馬車で抜けるなら、多少危険性はあるがそれなりに安くすむ。

 どちらを選ぶにしても、まずは歩いて半日程度の町、リバレスを目指す必要があった。

 ジーンには、数年前に両親と行ったときのぼんやりとした思い出がある程度だ。


「ふぅ……。喉乾いたなあ」


 歩きはじめてどれくらいか。すっかり陽は登り切ってしまった。リバレスまではもう少しだが、先に喉を潤し、一休みしたかった。

 幸い、すぐ近くには小川があるのでそこまで歩き、革袋に水を汲む。


「おお、革水筒なんてシブいですね!」


「え?」


 声をかけられた方をみると、身長が高くないジーンよりもさらに一回り小柄な少年がいた。日射しが気になるのか、茶色のマントを羽織り、フードを目深にかぶっている。しかし、興奮した様子はうかがえる。


「ああ、ぼくはリバレスに住んでいるバリといいます! 革水筒ってすごく本格的な旅人な感じがして、つい」


 バリは金属でできた水筒を見せる。金属製のほうが便利ではあるが、どうやらバリは【昔のもの】に憧れるタイプらしかった。


「ああ、そういうことか。昔からだから気にしてなかった。俺はジーン、リバレスに向かうところなんだ」


「もしかして、魔法学園に向かうため、とか?」


「え!? あ、ああそうだけど」


「そ、それなら一緒にいきましょう!」


 どういうことかと事情を聞いてみると、どうやらバリも魔法学園の入学式に参加する新入生とのことだった。

 しかし、一緒に参加する友達もおらず、一人でいくのも怖く、誰か自分と同じような人間がいないか探していたところ、ジーンを見つけたらしい。


 そんな臆病な性格で魔法学園でやっていけるのか、と思ってしまったが口にはせず、ひとまず行動を共にすることにしたのだった。

 

「さて、到着ですよ」


 話をしながら歩いているうちに、ジーンたちはリバレスに到着したのだった。

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