第八十六話 助けは来ていた
前回のあらすじ
助けてくれたのは、ボス率いる不良達、その戦闘力は流石にこの疑似学園都市で生き残るだけあって慣れている。
俺自身まだ変わろうと、もがいている。なんて声をかければいいか、まったく伝わらない言葉。
一つ一つ、これから――。
≪???視点≫
第二体育館はそのとき、鮮やかな虹色を抑えきれず窓を突き破って光が外に突き抜け散っていた。
お~。初めてこっちに来たけど、こっちもこっちで青春しているらしいな。
こっちはこの二年間、苦い思い出しかないないんだけどさぁ。
回収するのはいつになるんだろうな。味方ももう世良しかいなくなった。
俺のために無茶する奴らばかりだった。だから、彼女達を責められない。
俺にその、資格はない。
でも、それもあと少しだ。構成能力者の力を借りたことが上手くいった理由だろう。
今日はその、お使いを頼まれた。
(ピンチだったら助けてあげてくれ。それと、完全に構成能力者として能力的尊属をもったかも、確認してほしい)
「て、そんな情報、俺を使わなくてもいいだろうに。俺に見せたかったんだろう? 構成能力者、『空間』様よ?」
「見て、よくわからない光が、ここは私の、『円定理』の出番ね‼ さあ、敵なんてぶっ潰してやりましょう!」
(……、コイツはコイツで戦闘民族になりかけているし、はぁ、つらたん)
戦闘民族化はメンドクサイと思っている。というか、安全な所で見ていてほしいんだけど。
というか、さっきから殺気が凄い、なんてな。
世良はちょっと身だしなみに気を遣うようになったときから、人かじろじろ見られるのが当たりまえになり、周りにちょっと無頓着になった。
袖をぶかぶかにしていて、ちょっと手を出すのが基本スタイル。
そう、ピンク色のツインテールを二年前からかなり伸ばしてきたのだ。腰に手をやって、制服を着こなして、襟や袖の一部に黒の線が入っていて細かい網目が入ったスカート。
胸には金の背景色と白のバラが刻まれている校章が付いている。せっかく白が基準となっている清楚な服装が、台無しだよ。
といっても、ちょっと目の保養になるからいいんだけど。
「で、疑似学園都市の生徒会ともあろうものが、あの戦いに参加せずになんでここで油売っているんだ? ねえ、生徒会長?」
「え⁉」
「やはり、気付かれましたか」
ズサンッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼
生徒会うじゃうじゃと。噂に聞いていた、四争選選考会襲撃事件よりも沢山の委員会を集めているな。
前に出てくるのは生徒会副会長、会計、書記と図書委員長か。
でも、
「へえ、数か多いくせに、豆粒しかいない。あっちの方に役割分担で、勝てる気ですかね?」
「彼を支えるのは風紀、保健、体育、で十分なんだよ。あなたはもう、場違い。過去主様。四争選のオーナーであり、頂点で人見知り。私でさえも初めて見る方がいまさら何しに来たんですか?」
「ちょっと、お使いを頼まれてな。それの延長だ。だからここで戦う気はないよ。それにしても、あいつらより、俺の方が危険か。ちょっと寂しいな」
ウソだ、コイツが未来を見ているのは、とっくに知っている事実。
だからあっちが安全に切り抜けられると知っているんだろうなぁ。
本格化しないといけないか。アイツはちょっと邪魔だし。
「当たり前でしょ‼ 私達に勝てるのは、私達の誰かだけよ‼」
「……」
俺は、鞘から刀を引き抜いた。瞬間、敵に緊張が走る。
「折角会ったんだ。俺の目的を伝えておく。俺は取りあえず『正義執行委員会』を潰す。あそこにいる転生者は女神を従えている。雄神から、『奴を止めないと、人間の女どもをこっちは奴隷にする』と言われているんだ。お前にも手に余る委員会らしいし。いいだろう?」
「‼ 彼をまだ、諦めて――」
「諦めろ。男が意見を変えるには、遅すぎる」
「助けなくていいの、丈?」
「いいんだよ。俺達が関わるのはまだあいつには早い」
キイイイイイイイイイイインンンンンンンンンン‼
「鬼丸国綱。限りなく劣等刀だが、それでもお前達では勝てないよ」
「ふん‼ 次に会うときは四争選で‼ 絶対にボロボロにしてやるんだから‼」
「あ~まてぇ‼‼‼‼」
「追うな、図書委員長」
「え~わかったぁ」
テレポートしている中、俺は次のことを考えていた。
やっと構成能力者達の弟子たちが揃うんだ。
出てくるだろう、アイツ等も、絶対に取り返して見せる。
まずは、『正義執行委員会』だ。




