第八十五話 一緒に
前回のあらすじ
風紀委員長との共闘、
でも、相手はレベルフォースの刀龍、無迅も駆けつけてくる
しかし、助けは敵だけじゃなかった。
「お、お、まえ」
「勘違いするな。たまたま見物に来ただけだ。そして、たまたまあいつ等にむしゃくしゃしている。閉じ込められるのも腹が立つしな」
出られないなんて聞いてない。元々殺すつもりだったのかよ。不良のボスは舌打ちをしながら不満そうに言ってくる。
「理嗣‼」
「分かっています! 『典×』‼」
「お前達、徹底的にあいつらの思惑を邪魔してやれ。ぐちゃぐちゃにしてやるんだ‼」
『おう‼』
ブレインであるボスを中心として不良達は双子達と、獣人幼女達に向かっていく。
「あ、おらぁ‼」「あ、ありがとう‼」「死ねえ!」「た、助かった」
劣勢を盛り返し始めた。ただ暴れているだけなのに、不良達の行動に助かる人は増えていく。
不良達を甘くみていた。こんなに頼もしいのは、生徒会の人間だけだったのに。
彼等を最初は心配そうに見ていた生徒も、その姿に認めざるおえなかった。
なにせもう。彼等は観客席の生徒も助けているのだから。
「はぁあああああああああ???? 何あいつら、うざいってもんじゃないよねぇえええ‼」
「せっかくぅ、慎先輩の怒りに満ちた顔がおがめたのにさぁ! ふざけるな、アンタ達はわたしたちのこまっでしょ‼ やっちゃえ。竹夏ちゃんんんん‼‼‼‼‼‼‼」
確かに辻妻が分からない。あの竹夏に抱き着いた先生の話ではこいつら双子共に協力していたはずなのに。
死にたくない。それ以上の感情が不良達にあるような気がした。
「はははは、ああああアアアアアアアアアアアアアアア‼‼‼‼」
「ぐ、う!」
一人の不良に、竹夏が肉薄する!
「叶帆‼」「はい、マスター‼」
ガキンンンンンンンンンンンンンンンンン‼
それを俺は、不安定だが叶帆の【生成】を無理矢理発動して受け止めた。
「お前の相手は俺だ、竹夏‼」
「おいおい、君の相手をするのに、俺が横やりを入れないと思ったか‼」
チ、無迅先輩もこっちに来るつもりか。相手にしている場合じゃないってのに‼
「漢文の歌、『四面楚歌』‼」
ぐりん、と後ろを振り向いた? 一部の獣人幼女が無迅先輩を攻撃していく⁉
「長くはもちません。早く、彼女を止めて下さい!」
「放送委員会の墨氷先輩‼」
「邪魔だ、俺の、じゃまをするなぁあああああああ‼‼‼‼」
「無迅せんぱい、殺さないでね⁉ それ作るのけっこコストがかかるんだよ‼」
どうやら、墨氷先輩の攻撃は敵を混乱させるのに十分だったらしい。いったい何の能力か分からないが、歌の性質を持つ能力なのはわかった。
俺は、ギリ、ギリィ! とヒモをだらんと下げた小さな鎌と銃が組み合わさった鎌型銃で竹夏の黒色と氷の色が混ざった剣とぶつけ合う。
「竹夏‼ お前、本当にお前のしたかったことはこんなことだったのかよ‼」
「アアアアアアアアアアアアア‼」
聞こえているのか。それとももう意識が食われてしまっているのか。
もっとも、俺に出来るのは、これしかない。
「楽しかっただろう、クラスマッチ。でも、はっきりといってやる‼ お前が加わることは、きっと迷惑だっただろうな‼」
「あああああああああああ、アアアアアアアアアアアアアアア‼」
俺は、黒い涙を流している竹夏の顔を見てはっきりと分かった。大丈夫、気持ちは届いている。
竹夏にとっても、断ち切りたい思い出じゃないのだ。きっとまだまだ楽しんでいたかったと思っていたはずだ。
「苦しいだろう、過去をやり直したいのだろう。寂しいのだろう。竹夏、俺もな。やり直している最中なんだぜ」
「アアアアア、ア」
俺は、武器を下ろした。
竹夏の剣先は鈍っている。落ち着け。大丈夫だ。
コイツの神に、いや、コイツのよりどころになるんだ!
両手を大きく広げて、迎え入れるように笑いかけた。
はは、柄じゃなんだけど、な。
「俺が側にいてやる。一緒にやり直そうぜ。竹夏」
「今がチャンスだ、やっちゃれ竹夏ちゃん!」
「アアアアアアアアアアアアア‼」
彼女は、そのまま、そのまま、俺を切り裂こうと、してくる。
そう、そのまま。俺は彼女を掻き抱いた。
気が向いたら何話か投稿していきます!よろしくお願いいたします。




