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第七十八話 覗き

前回のあらすじ

焼肉パーティーが俺のおごりで始まった。

まだまだ前途多難だが、今日くらい無礼講で良いだろう。

そしてそして、男子の反乱が起ころうとしていた。





「男子集合~」



 そう小声で尭志が声をかけた。男子はすぐに駆け寄ってくる。



「あの双子の言葉は我々健全な男子生徒への挑戦状と受け取った。異議がある物はいるか」



 全員首を横に振る……と、だが俺だけは横に振らなかった。



「お前達、女子を敵に回したら殺され――」


 るぞといおうとしたら3人がかりで部屋の外に放り出されてしまった。



「邪魔者は消した。みんな、アイディアを聞こう」



「はっ。侵入経路はここから叶帆さんの部屋に直接いく経路と叶帆さんの入り口のドアから入る二つの方法があります。女子は焼肉に夢中です。叶帆さんの入り口のドアから入るのが最善策かと」



 尭志やほかのクラスメイトはうなずき合った。



「よし、作戦を決行する‼ まずは最初の二人だが言いだしっぺの俺と作戦立案したお前とで乗り込むとしよう。他は焼肉を食べながら陽動だ」



『ラジャー』



 そうして二人は「ちょっとトイレに」といってその場から姿を消す。他のみんなは心の中でグッジョブといっていた。



 まず、トイレに行くふりをする。そのあとすみやかに部屋を出た。そして向かうのは女子が風呂に入っている叶帆の部屋である。そ~と部屋に入り女子の風呂場についた。



「大佐、風呂はもうすぐです」



「わかっている。隊員よ。では見ようじゃないか。我らの桃源郷を‼」



 そして尭志はそ~と風呂場を開けて覗き込む。見えたのは……誰もいない浴槽だった。



「これは……どういうことだ」



「かかったわね」



 そういって颯爽と現れる女子達。その親玉の繭は腰に手をおきながら、



「君達が来ると思って入浴する場所は知り合いの浴槽に変えさせてもらった! さて、どう責任取ってもらおうかなぁ? フフフフ!」



「あ、あ、悪魔だ」



 男性達は肉に手を付けるのを止めて身をちぢこまらせていた。一方女子達はこの交渉材料をどう料理するか、和気(わき)藹藹(あいあい)と焼肉を食べながら話し合うのであった。


 ~*~



「くそ、俺はとばっちりはごめんだからな」


 俺は自動販売機のジュースを手に取るためにエレベータ近くに来ていた。そう、逃げ出したのだ。竹夏の事はきっと叶帆がどうにかしてくれるだろうし、今はほとぼりが冷めるまで外にいるつもりだった。


 明日、明日はクラスのために頑張ろう、そう俺は決めていた。他の誰でもない自分のため――とかカッコつけるつもりはない。そうしないと死ぬぐらいの想いを持って、優勝したいと思っていた。



「うん、あれはどういうことだ?」


 そんなところに、ストローで飲み物を吸っていた俺はエレベーターの陰から嫌そうに男子について行くクラスの女子二人組を見つけた。男子は気持ち悪い笑みを浮かべている。



「まさか不良達が今仕掛けてきたのか?」



 そう考えた。悪い方向に。そして、二人の女子は一つの部屋に入ると鍵をかけた。


 やっぱり怪しい。こんな時に、弱みでも握られたか。


 普段から、俺は部屋のセキュリティには詳しい方だ。


 ささっと俺は二人組が入った部屋に近づく。そして、その部屋の、二重ロックに手をかけた。この手のロックはパスワードを三回間違えるとアラームが鳴る。そして一つ目のロックを解除した後の、二つの目のパスワードは会社が持っていてそのパスワードは人による顔確認でパスワードが解除される。よって、その会社さえ押さえれば解除自体は可能なのだ、が。



 俺は部屋ごとに振り分けられている会社のパスワードを記憶していた。そして、手の動きでこの部屋のパスワードはわかっている。



「no1457か、このパスワードだな」



 ガチャンと扉が開いた。風呂の方から艶めかしい声が聞こえてくる。俺はそこで、卑猥なことをやられていると思い勢いよく扉を開けはなった。



「動くな。不良ども」



『ひひひひぃい~‼』



 そこにいたのは二人組の、今まさにシャワーを浴びているだけの女の子、だった。ただじゃれていただけらしい、男子は別にいるようだ。そして慎が入ってきた部屋の入り口がまた開いて、



「どうしてこんなところにいるんだ。お~君」「どうしたんですか、マスター」



 近くに寄ってきたのは、繭(まゆ)と叶帆(かなほ)であった。



「あ、ああ。ちょっとトイレに」



「そうですか。マスターは、わざわざここのトイレを使いたかったんですね」



「……ああ」



 気まずい。さり気なく風呂の扉は閉じた。しかし、叶帆はああ、と今思い出したかのように、



「今さっき男子が女子の風呂場を覗きました。その罰則で女子は男子に1か月間の掃除当番を言い渡しましたよ。お気の毒です。もちろんマスターは二か月分で、いいですよね」



「頑張ります」




 そうして、悪夢の風呂覗きは終焉を迎えるのであった。



あともう一つ投稿していければと思っています。頑張ります。よろしくお願いします。

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