第七十七話 焼肉パーティー
前回のあらすじ
クラスのみんなが集まった中、俺が作戦を考えた。
その戦法で俺達はどんどん勝ち上がっていく。
最後まで、うまくいくことが出来れば――。
大会や問題が全て終わった後、風紀委員会の取り調べ中に船占先生はこう語ったよ。
「ふん運悪く勝ち残ったか」
そう不機嫌に船占先生は2年D組を見ていた。なんだあの泣き方、みっともない。恥をしれといってやろうか。しかしここで自分が出ていったら生徒をさらに奮起させる可能性があると思ったらしい。遠くから見ているだけだった。
しかし、あの姿を見て船占先生は昔の映像が頭に浮かんだらしい。
それは泣きじゃくる少女にハンカチをわたしている自分の姿だった。その少女は泣くのを止めて「ありがとうございます」と……。
「それでは先生、手筈通りいきますよ」
そう、共犯者となる先生に肩を叩かれて我に返った。私はなにを考えていたのだろうか。昔の話だ。そう昔の話。分け前を貰えないと首になる可能性があるのだ。他人のことより自分のことを守ろう。そう自分に言い聞かせて行動に移ったと、言っていた。
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『慎君に向けてかんぱ~い‼』
「や、やられた」
今日、俺がじゃんけんで負けたので戦勝会をかねて焼肉パーティーを大きくなった俺の部屋で開催した。もうクラスメイトのじゃんけんの必至さは超ど級だった。まったく、俺の懐は決してあたたかくはないのにさ。
問題を起こしたせいで関係各所に頭を下げるために、お金をけっこう使ってしまったから。
だが、まだ金なら捻出できる。こいつらのためなら、一か月ぐらい月額サービスを止めるぐらいい構わないと思っていたし。
部屋は一人部屋なのだが、俺と叶帆の部屋はスライドドアで隔てている少し特殊な部屋なのでスライドドアを取り外せば簡単に大所帯専用の部屋に早変わりだ。
勢いよく食べている、行儀などどこ吹く風の竹夏の食いっぷりに始まり、叶帆も部屋を借りている手前、この焼肉パーティーに参加していた。
「さあ~食い逃げ野郎。お前のおごりだもっと食え~」
「食い逃げは委員長だろ。ほら、座って食べてくれ」
そういって俺は酒が入っていると勘違いしてしまいそうな見た目でジュースを片手に持つウサギ耳の委員長を座らせた。
『あなた。はいあ~ん』
そういって肉を差し出してきたのは双子の千鶴と光絵であった。なんだろう。この好意に対して言い表せない満足感があるな。
ていうか、竹夏がこっちを見て食いたくてたまらないといった顔をしているくせに肉を双子と同じように差し出してきたよ。
なにか、プライドでも刺激されたか?
「あなたは私達が似ているといいたくな~る」
「そして、私のまねを姉がしているといいたくな~る」
あ、せこい。なにお~‼ と二人は取っ組み合いのけんかを始めてしまったよ。竹夏はそれに私も~と言って、混ざってじゃれ始める。
無視した方がいいかな。
そう思い、俺は尭志に明日のクラス対抗戦のことについて話すことにした。
「このまま隠したままで勝てると思うか」
「わからない。五回戦の相手がよりによって最近不良が乗っ取った2年F組だからな。もしかしたら前の四天王争奪戦選考会でお~くんが付けた貸しを返してくるかもしれない」
それを尭志が言ってしまうと、みんなはちょっと微妙な空気になった。四天王争奪戦選考会の面倒事について、俺とどういう距離をとればいいかわからなくなったんだろう。
やり返してくるのは俺のせい、そう思うのならこうなるのは分かっていた。
「みんなごめん。せっかく楽しいパーティーを邪魔し――ぷぐっ」
「ほれ変な顔~」
いきなり繭が肉をぶっこんできた。俺は、ふがふがと口の中で熱さと格闘するはめに。
あははっとみんな笑ってくれた。叶帆も竹夏も他のクラスメイトも、もちろん俺も、笑っていた。
「気にするな。お前を買うと判断したのはクラス委員長だ。その時からすでに覚悟はできていた。委員長の顔に泥を塗る気かよ。それに、俺達はもう家族みたいなものだろ?」
真剣に言う。尭志、お前。みんなもそのつもりらしい。顔が照れながらもそう言っていた。
すると、な~んてな。と尭志はすぐに明るい顔になって、
「慎がここの冷蔵庫の中身全部持っていくぐらい食っていいってよぉ‼」
お~祭りじゃ祭りじゃ~。とみんな騒いでいる。まあ、大会初日終わっての夜だしどこも似たようなものだろう。今夜は周りに迷惑をかけるぐらい無礼講でいこうと思った。
~*~
「みなさ~ん。お風呂入りましょうよ~」
叶帆がみんなに呼びかけるように言った。風呂って、ここでか?
「ふ、風呂だと」「もちろん混浴ですよね。ですよ――がはぁっ」
『なわけないでしょうが‼』
そう、女子達から盛大に吹っ飛ばされた男子は、手招きしている天国の神様を見ることになっただろう。可哀そうに。
「まず、ここの風呂は小さくて入りきらねーだろ」
俺は少し怖かったので、突っ込みを入れるだけにとどめた。尭志は少し考えながら、
「どうする? 銭湯にするか?」
「いや、そこまでお金をつかわせるわけにはいかない。女子は叶帆さんの方で二人一組で入ろう。男子はお~君の方で好きに入ってくれ」
そう繭は男子用と女子用できれいに分けた。
『言っとくけど男子のみなさ~ん女子の風呂を覗いたら殺す』
そう双子がいきピッタリな声でいった。
そして数十分すると、ホットプレートから離れて、何人かの女子が叶帆のお風呂に向かって行く。
ん、男子達が目を光らせた?
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