↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/95

第六十八話  メイド喫茶

前回のあらすじ

出合崎実凛、俺は彼女を裏切った

でも助けに行かなくちゃいけないんだ。

それを笑って送り出してくれる、感謝するよ



「で、なんでこんなところにいるんだ?」




 俺達は風紀委員会に捕まらないように逃げて、出合崎から見逃してもらって、


 これから竹夏を助けるために正義執行委員会に侵入するはずで。




「お帰りなさいませぇ、ご主人様ぁ」



 周りは明るい、あたりは幸せを売っているように甘々な空気が漂っていて胃もたれしそうだ。


 いや、こういうのは失礼だ。あんで、俺は頭の中で文句しか言えないのだろうか。



「それが、どうしてメイド喫茶にあんかいるんだよ?」



「あ、こっちににもオムライスを、書く文字は『ハート』で!」



「決まっています。ここが終着点だから」


 ここが、ブラック委員会の大きな組織、その一つである『正義執行委員会』のアジトって言う気か?



「は~い、おいしくなれぇ。萌え萌えキュン」



 同じ席には、キノミがオムライスにケチャップをかけて貰っていた。


 お前さぁ、目移りしすぎだろ。さっきもなんかメアドとか犯罪行為一歩手前ものを貰おうとしていただろう。


 何度でもいうよ。ここが、俺が一年の時に作った『正義執行委員会』のアジトだという気かよ。


 昔の俺と今の俺は、どうもしっくりこない。何か変わったのだろうか?


 というか絶対に、万に一つもない。絶対にだ、断言できる。



「さあ、早く注文してください。私達は慎様待ちだよ?」



「別にいいよ~、君がしり込みしている間に再月少女はもう手の届かないところに行ってしまうけど。そして僕はここを楽しみつくす!」



「表道、本当にここなのか? 間違っていたら風紀委員会に捕まるんだぞ?」



「あら、もしかして、慎様は恥ずかしいのですか? ふふふ、私が頼んであげましょうか?」


 まるでファミリーレストランに来た親子のような会話をしてくる。イライラしてしょうがない。



「そ、そんな静沙ちゃん! 俺の時はそんな優しさを見せてくれないのにコイツにだけ、うううう」


 そして隣の気持ち悪いくらいの適応野郎は泣き真似をして鼻を伸ばしていて。


 席を立ちたい。そしてそのまま自分の部屋に帰りたい。



「はいは~い、だいじょうぶぅですよ? ご主人様はえらいえら~い」


 何故か、負けた気分。ここではキノミの方が正しく見えてくる。


 所詮俺は、プライドの塊だったらしい。気持ちをさらけ出せる彼の方が世間から見ても大人だと思ってしまった。



「すいま、せん。飲み物、を」



「はぁ~い。では少々お待ちください」



「ああ、メイドさん~、カムバックぅ」



「ダメですよ~。あくまでここは喫茶店。おさわり禁止です~」


 良かったよ。こんな施設が高校地区にあったら、俺は生きていける気がしない。


 今、笑っただろう? 



「待って下さい、メイドさん。ブラックコーヒーにブラックコーヒーをマシマシで」



 おい、そんな苦さを苦さでかき混ぜるようにして、どうしたいんだ?


 恨み事は思ったが特におかしいことだとは感じなかった。なにげない、表道の一言だと。しかし、それを聞いた店内の人間は、


 ポタッと時が止まったように凍えた目で全員が俺を凝視していた。



「はい、わかりました。あなたたちですね? 連絡を聞いたときは私達も、副委員長も半信半疑でしたが、いいでしょう。ご注文ありがとうにゃん‼」



『ありがとうニャン‼』



『か、かわいいいいいいいい‼』




 一斉に猫の手真似をつくり、ニャンニャンと唱和する接客をしていたメイド達。その可愛さに大きな声で客がメロメロになっている。


 そんな中俺はゾクっと攻撃を加えられたように、冷や汗をそのメイド達から感じられてしまった。


 目の奥に感じられたその底冷えする瞳は、俺の心の中の奥深くにある怯えを見透かされたようだった。



「うふふ、どうやら文字通り、死後の冥土達である門番にはバレバレだった」



「死後の冥土、達」



「ええ、ここのメイド達、『悪の素質』を間接的に測れる能力者とブレインしかいません。それもこれも、副委員長が『いつか帰ってくる。あいつはそういうやつだ』という一言で決まったらしいです」


 副委員長。覚えていると言ったらウソになる。そいつは俺の初めての理解者だった。でも、足を洗うときに『師匠』から『ソイツの記憶を薄めろ』と言われたから。ほとんど忘れていて昨日やっと全て思い出した、


 やつの名は――。



「お待たせいたしましたぁ! 『あの世のように真っ黒な邪神殺しコーヒー』ですぅ! では、こちらに美味しくなるおまじないをかけさせて頂きますぅ!」



「あ、はい」


 なんなんだ、この緊張感⁉ 何故か目の前に猛獣がいて、今すぐ食べられてしまいそうな、



「それでは~‼」



 ――扉は、あの世とこの世を繋ぐ。この世から正義を失くすのなら、私は悪を持って正義としよう。業(カルマ)、因果、それを味方にほんの少しの希望をつかめればいい。目には目を、歯には歯を。この世に完全を作るためにまずは不完全な世界から切り離されり――



 え? ここは萌え萌えキュンじゃ――、




 そして、俺は。

 気を、失っていた。

すみません、遅くなりました。

でも、もしかしたら明日昼頃また投稿できると思いますので、気長に待っていてください。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。